卓球の「Tリーグ2020-2021シーズン」が11月17日(火)待ちに待った開幕を迎える。開幕を前に、日本卓球界のレジェンド・水谷隼(31歳=木下マイスター東京)がインタビューに応じ、意気込みを語った。

SPインタビュー「水谷隼の今」

ー 自粛期間はどのように過ごした?

一番思ったのは、良くも悪くも自分には卓球しかないんだなっという。時間もあったし4月からの2ヶ月間くらいって卓球すらさせてもらえない環境でした。他に何かしようと思っても特に何にもないんですよね、やる事が。自分には卓球しかないんだなっとすごく感じました。


ー もしも今年、東京五輪が開催されていたら?

もし五輪が普通に行われていたとしたら、今現在卓球はしていない可能性が高かったと思うんですよね。本来であれば自分は引退していた可能性が高かったのですけれど、五輪が延期になったことによって当たり前のように卓球を続けているんです。

この先、例えばまたもう一年五輪が延期になったら、また当たり前のように続けていくんじゃないかなと思っています。引退することに変わりはないんですけれど、やはり未練はあるんでしょうね。どこかに。もし五輪があって自分が卓球を引退しますと言った時に、多分未練を残して引退していたんじゃないかなと思います。



ー 次世代の卓球界について

若手選手のインタビューを見ていると、何かのターニングポイントだという時に大体自分の名前が出てくるんですよね。僕に勝って吹っ切れたとか、良くなったとか。

なので、全ての選手にそう言わせられるように常に立ちはだかれたらいいなと思います。眼中になかったらそういう発言は出ないと思いますので。常に色々な選手たちが一つの目標と捉えていてくれるので、ずっとそうあり続けていきたいです。


ー コロナ禍におけるスポーツの在り方は?

緊急事態宣言が出て、すぐというのはみんな困惑していて、店頭からマスクが消えたり、ある種のパニック状態になっていましたけれど、その中で自分は卓球ができなくなって本当に無力だなと感じました。

ただ、確かに今はスポーツどころじゃないというのはそうだと思うんですけれど、例えばそれを言うなら音楽や映画がなくてもみんな全然生きていけると思うんです。でも世の中にとって必要なことなんですよね。

音楽を聴いたり、映画を観ることによって、勇気が出るとか色々な感情が生まれる。それはスポーツでも同じだと思うんです。スポーツを観ることによって、元気が出たり勇気をもらったり、希望を持てたり。自分はアスリートとして、そういう風に人々に思ってもらえるように精一杯頑張りたいと思っています。


ー 約8ヶ月ぶりの試合となる、Tリーグ開幕戦について

前回試合をしたのが3月のカタールオープンでそこから半年以上の期間があってのTリーグということで、パワーアップしたいと思って練習は積んできているので、今度の開幕戦で自分がどのようなプレーができるのか楽しみです。こうやってまたすぐ試合ができることをすごく嬉しく感じています。


ー 水谷選手にとって、Tリーグ開幕戦とは?

開幕戦での注目度というのは、やっぱり他のTリーグの試合と違ってものすごく大事です。このTリーグで自分の実力を測ったり、さらに自分を成長させていったりとか、それが必ず五輪にも繋がってくると思うので、Tリーグの試合は大きな意味があると思います。

これからの1年を測る意味でも大事になってくると思うので、悔いのないプレーがしたいです。