Bリーグ開幕から約1ヶ月。前シーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響により、シーズン終盤で中止となったものの、今シーズ…

Bリーグ開幕から約1ヶ月。前シーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響により、シーズン終盤で中止となったものの、今シーズンは厳戒態勢の中、観客を入れての開催にこぎつけた。人数制限、マスク着用の厳守、席の間隔は1〜2mなど感染リスクを避けるための対策を徹底しての興行となっており、これまでとは違う形式になっている。

そんなコロナ禍の中で選手たちは何を考えながらプレーしているのか?
500人以上の選手たちの中から、観衆をひときわ熱狂させる旬な2人に話を聞いた。

日本バスケットボール界のトップガードに名を馳せる富樫勇樹(千葉ジェッツふなばし)とベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)。2人は1993年世代の同級生のライバルでありながら、日本代表として共に戦うこともあり、互いを高め合える存在だという。

「withコロナとバスケ」をテーマに彼らの本音に迫った。

©CHIBA JETS FUNABASHI/PHOTO:AtsushiSasaki

-Bリーグ発足から今年で5周年目になりますが、Bリーグができたからの変化を感じることはありますか?

ベンドラメ:前身のリーグ(NBL)に比べて観客が増えたと思う。週末のゲームが終わった後に夜のスポーツ番組で、何かしらのプレーが流れているので、テレビで見かける機会も多くなった。

富樫:知名度は年々高くなっている。(アメリカでのバスケットボール熱を知っているので)参考にしながら、少しでもアメリカの盛り上がりや認知度に近づけるようにして、日本のスポーツ界全体を盛り上げたい。

-富樫さんは千葉でプレーしていてファンからの反響や、盛り上げり感じますか?

富樫:千葉でのプレーは今年で6年目になる。Bリーグ観客動員数も発足から1番で、応援する人たちの数ではなく、会場全体から熱気を感じる。会場の雰囲気もいいので、千葉・船橋の市民から応援されていると改めて感じる。

©︎SUNROCKERS SIHBUYA

-コロナ禍で自粛生活が強いられている中、田渡凌選手(広島ドラゴンフライズ)がSNSでユニークな動画などを発信して盛り上がったことがありました。SNSを通してBリーグの選手たちの影響力も大きくなったように感じているのですが、そういった何かを発信していくことに意識していることはありますか?

富樫:各選手それぞれのキャラがあって、人それぞれの発信だと思う。一バスケ選手の影響力を感じられるのは良いことなので、何かできたらなという思いはある。

ベンドラメ:SNS大好きなので積極的に発信するし、自粛期間で言えば同世代の選手たちと一緒にSNS上でドリブルを繋ぐ動画にも参加した。ドリブルならどうせ自分もするし、するぐらいならSNSで発信してもいいかと思うぐらいのスタンスでいる。この投稿で何かを変えてやりたいとかいうことはなく、皆さんに面白がって見てもらえればと思っている。SNSでしか他の人と会話する機会がないので、楽しんでやっていた。

-コロナ対策をしながらも、何とか有観客で開幕を迎えたわけですが、どんな思いでしたか?

ベンドラメ:人の前でプレーするのが嬉しく、楽しい気持ちでいっぱいだった。10/10.11の試合(SR渋谷vs. 千葉)は接戦だったので声を出してはいけないけれど、観客も感情が高まり、盛り上がっていたと思う。観客がいる盛り上がりの中でプレーできるのは、やっている側としても熱くなる。

富樫:開幕前は無観客と思っていたので、観客を入れての試合ができた上、前シーズンは途中で中止になっていたので、コートに立った時は本当に喜びを感じた。チームメイトも 昨年とはまた違った嬉しさを感じながらプレーしていた。これまで以上に一層レベルの高いプレーを見せられると思う。

-コロナ禍でも会場に来てくれているファンに思う事はありますか?

富樫:待ってくれていたファンもいるので、来てもらえて嬉しい。一方、来る時は多少のリスクもあり、不安に思いながら来ているファンもいるので、その分試合を見に来たいと思わせるようにしたい。この状況下の中でも足を運んでくれるお客さんには感謝しかない。

ベンドラメ:来てくれるのは嬉しいけれど、気をつけて見に来てねという感じですね。ファンの人は興奮するあまり、思わず叫びたくなるシーンもあると思うので、手洗い予防や飛沫などにも注意してほしい。これから、楽しくなるようなゲームも続くので、本当に気をつけてほしいということしか言えない。こちらは見に来てもらっている側なので、リスクをおってでも見たいと思えるようなパフォーマンスをしていく。

©︎SUNROCKERS SIHBUYA

-チームで感染拡大にならないように心がけていることや、コロナでのやりづらさっていう部分はいかがでしょうか?

ベンドラメ:開幕した時に(Bリーグ内で)感染者が出てしまってもおかしくない状況でしたが、誰もいなくてびっくりしました。みんながしっかり対策・予防して迎えてくれたからだと思う。
私たちのチームは、極力接触は避けて、水を飲む時はボックスを分けて離して置いている。行動履歴やその日の体温を全部トレーナーに報告して感染予防を徹底し、できる限りのことは気をつけている。

富樫:各選手それぞれ、チーム内で決めたことを守っている。移動も新幹線とかなので、リスクはがあるが、何をするにもついてまわることなので、各選手が気をつけながなら、仕事のバスケットと向き合っていかなければならないと思う。

東京五輪への意識はありますか?

ベンドラメ:選手たちは一つのモチベーションとして意識していると思う。すぐそこに迫っているので考えている人も多いのでは。

富樫:そこを目標にずっとやってきた。日本に戻ってきた一つの理由として東京五輪出場があった。シンプルにBリーグで一番のガードになれば、選ばれるだろうと思ってプレーしていて、個人としてもチームとしても結果を残したいという思いはずっと変わらない。代表になりたい思いはあるが、そのためにはこの千葉ジェッツでどう活躍するかといったことなので今年こそ優勝したい。