11月17日、Tリーグ3rdシーズンが開幕する。今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が例年より遅れ、試合は無観客(リモートマッチ)で行われる予定だ。異例の幕開けとなる新シーズンだが、各チームは新たな戦力を迎えて準備を進めてきた。今回は女子計…

11月17日、Tリーグ3rdシーズンが開幕する。

今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が例年より遅れ、試合は無観客(リモートマッチ)で行われる予定だ。異例の幕開けとなる新シーズンだが、各チームは新たな戦力を迎えて準備を進めてきた。今回は女子計4チームの顔ぶれを紹介し、各チームの戦力分析を行う。

日本生命レッドエルフ:リーグ3連覇へ 変わらぬ選手層の厚さ

メンバー

森さくら(#0) 平野美宇(#1) 皆川優香(#2) 前田美優(#7) 麻生麗名(#8) 于梦雨(ユモンユ・#10) 陳思羽(チェンズーユ・#11) 由本楓羽(#12) 篠原夢空(#14) 赤江夏星(#15) 早田ひな(#18) 田志希(チョンジヒ・#19) (太字は今季新加入)

2ndシーズン成績

1位 14勝7敗 勝点51




写真:森さくら(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

1stシーズンはリーグ2位ながらもファイナルで木下を破り初代王者に輝いた。2ndシーズンは初のリーグ戦1位となり、Tリーグ誕生から2連覇を飾った。3連覇をかけて臨む今季は、中学生2選手が加入したが、昨季とはほぼ変わらない顔ぶれだ。

チームの主力には日本代表の平野美宇と全日本女王・早田ひな、そして昨季の最多勝&MVPの森さくらが顔をそろえる。日本人選手だけでも実力十分だが、昨季でシングルス計20勝を挙げた外国人トリオの于夢雨、陳思羽、田志希の来日が叶えば選手層はより強力なものとなる。ジュニア世代からチーム内昇格した皆川、麻生、赤江、由本、篠原ら若い戦力にも注目だ。

木下アビエル神奈川:2期連続の2位 3度目の正直で悲願の初制覇なるか

メンバー

木原美悠(#1) 杜凱琹(ドゥホイカン・#2) 浜本由惟(#4) 申裕斌(シェンユービン・#5) 石川佳純(#7) 平侑里香(#8) 長﨑美柚(#11) 張本美和(#16) 木村香純(#21) (太字は今季新加入)

2ndシーズン成績

2位 13勝8敗 勝点43




写真:浜本由惟(木下アビエル神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

1st、2ndシーズンと、2季連続で2位に甘んじた木下。特に1stシーズンはリーグで1位だったものの、ファイナルで日本生命に敗れている。真の1位を目指して臨む3rdシーズンは、弱冠16歳にして韓国代表として活躍する申裕斌を補強した。

五輪代表の石川佳純、そして19年グランドファイナルでダブルス優勝の木原と長﨑を中心に、19年世界選手権8強の香港代表、杜凱琹が加われば体制は盤石だ。日本人選手では18年社会人王者の平侑里香と全日学選抜優勝の木村香純を補強。海外選手の来日が不透明ななかで、彼女たちの活躍が初優勝にむけて一つのカギとなるだろう。

トップおとめピンポンズ名古屋:日本人選手5名の奮闘に期待 初の2位以上へ

メンバー

エリザベタ・サマラ(#3) リン・イエ(#4) 出澤杏佳(#6) 鈴木李茄(#7) ハン・イン(#9) 山本笙子(#11) 梅村優香(#19) 井林茉里奈(#26) 鄭怡静(チェンイーチン・#30) 梁夏銀(ヤンハウン・#31) (太字は今季新加入)

2ndシーズン成績

3位 8勝13敗 勝点31




写真:鈴木李茄(トップおとめピンポンズ名古屋)/撮影:ラリーズ編集部

先日の女子ワールドカップにも出場したハン・インや鄭怡静など、海外の主力選手を集める名古屋。特にハン・インは昨季チーム内最多の8勝を挙げ、女子ワールドカップでは4強となったチームの主力だ。しかしながら今季は彼女ら海外勢の参戦が不透明な状況である。そのため、日本人選手の奮闘が求められる。

この状況下で、名古屋は11月10日、井林(旧姓:松澤)茉里奈の現役復帰及び3rdシーズン契約合意を発表した。井林は13年の世界選手権に日本代表として出場し、19年3月に一度現役を退いた後は名古屋の広報担当として勤務していた。井林ら5名の日本選手を中心とした活躍で、チーム初の2位以上を狙う。

日本ペイントマレッツ:最下位に終わった昨季の雪辱に燃える

メンバー

加藤美優(#1) 相馬夢乃(#2) 永尾尭子(#3) 蘇慧音(スーワイヤムミニー・#6) 崔孝珠(チェヒョジュ・#7) 馮天薇(フォンティエンウェイ・#8) サウェータブット・スターシニー(#9) 李皓晴(リホチン・#11) 小塩遥菜(#15) シャン・シャオナ(#18) 黄郁雯(ファンユーウェン・#23) 打浪優(#24) (太字は今季新加入)

2ndシーズン成績

4位 7勝14敗 勝点29




写真:加藤美優(日本ペイントマレッツ)/撮影:ラリーズ編集部

アジア各国から実力者を集めて臨んだ昨季だったが、惜しくも最下位に終わった名古屋。雪辱に燃える3rdシーズンは昨季の主力に加えてドイツの37歳、ペン表とトップ選手では珍しい戦型のシャン・シャオナや韓国のサウスポー崔孝珠、日本の実業団からは同じくサウスポーの永尾尭子を新戦力として迎えた。

昨季、スターシニーは加藤と並んでチーム内最多の8勝を挙げ、李皓晴と黄郁雯はダブルスで活躍するなど、アジア選手の活躍が際立っていた。国内外の移動が制限される今季は名古屋と同じく、日本選手の活躍が特に求められる。最下位からの下剋上を目指すうえで、小塩と相馬の若きカットマンコンビの奮闘にも期待がかかる。

文:ラリーズ編集部