11月6日、東日本選手権SPの本田望結。フリー進出はならなかった 今季シニアデビューし、姉の真凛や兄の太一と一緒に全日本選手権出場を目指した本田望結。東京選手権12位で駒を進めて挑んだ11月の東日本選手権だったが、6日のショートプログラム(…
11月6日、東日本選手権SPの本田望結。フリー進出はならなかった
今季シニアデビューし、姉の真凛や兄の太一と一緒に全日本選手権出場を目指した本田望結。東京選手権12位で駒を進めて挑んだ11月の東日本選手権だったが、6日のショートプログラム(SP)で26位となり翌日のフリーへ進めず、その望みは果たせなかった。
身長も伸びて、以前より大人っぽい雰囲気になった本田。この日の3日前には、青森県八戸市で開かれた県高校選手権でSPを、国体県予選ではフリーを滑ったばかり。それでも、本田は「小さい頃から試合の前日に(女優としての)仕事があったりして体力的には慣れています。あまり疲れはありませんでした」と、試合に臨んだ。
約1カ月前の東京選手権のSPでは、最初の3回転サルコウ+2回転トーループをしっかり決めたが、次の3回転ループが2回転になって無得点になり、後半のダブルアクセルはダウングレードで43.91点にとどまっていた。
ウェブ配信で本田の練習を見ていた姉の真凜からは「軸をよく締められていた」との評価を受けたジャンプだったが、本番では苦しんだ。最初の3回転サルコウは4分の1回転足りない「q」マークがつき、連続ジャンプにすることができなかった。その後のループは3回転になったものの、アンダーローテーション(4分の1回転以上、2分の1回転未満の回転不足)と判定された。それでも、そのまま2回転トーループを付けて連続ジャンプとした。最後のダブルアクセルはダウングレードの判定になった。
本田は「自分は今何ができるだろうと考えた時に、表現やスピンだと思ったのでそれを意識した」と話したが、試合のSPは7要素どれもミスをできないという、独特の緊張感があるもの。動き自体もアイスショーで見せていたようなしなやかさや、体全体で演じる雰囲気を感じさせず、硬さが見える滑りだった。
3本目のダブルアクセルまではジャンプを強く意識しているように感じられ、フライングシットスピンはレベル4としたものの、ややスピード感に欠けて0.30点減点される出来。また、終盤2本のスピンも東京選手権ではレベル4と判定されたが、今回はレベル3で得点を伸ばし切れず、39.34点だった。東京選手権の得点を出していれば、フリーに進めるチャンスはあったが届かなかった。
それでも、本田は次への意欲を口にした。
「今回は自分が今できることを詰め込んだような構成でした。点数を見て恥ずかしい気持ちもありますが、悔いはないです。来年に向けて頑張ろう、という試合になった」
そんな前向きな気持ちを示すのも、青森山田高校への入学が影響しているだろう。
「姉の影響で青森山田に進学しましたが、生徒も先生たちもすごくいい方たちなので、ここで3年間頑張れたらなと思えました。全日本選手権出場だけではなく、インターハイや国体にも学校を代表する選手になって出られるように努力したいです」
芸能活動と並行してフィギュアスケートを行なう本田には、限られた時間でいかに練習を充実させるかという課題もある。もっと上の成績を出すためには、今は不安定なジャンプを洗練させていく必要があるだろう。
だが、ジャンプに自信を持てれば、本田にしかできない豊かな表現力がつくる世界観のスケーティングも見られるようになるのではないか。3年間、青森山田高で競技者として「頑張りたい」と決意した彼女の進化に、今後も注目したい。