伊藤園レディス(千葉・グレートアイランド倶楽部)の最終日となる11月15日、渋野日向子は22歳となる。「(予選落ちに終わった)昨年は初日が誕生日だったので、無事にゴルフ場で迎えることができたんですけど、今回は予選を通過しないとゴルフ場で誕…
伊藤園レディス(千葉・グレートアイランド倶楽部)の最終日となる11月15日、渋野日向子は22歳となる。
「(予選落ちに終わった)昨年は初日が誕生日だったので、無事にゴルフ場で迎えることができたんですけど、今回は予選を通過しないとゴルフ場で誕生日を迎えられない。それを一番の目標にしてやりたいと思います」
どんな誕生日にしたいかという問いに、渋野はそう言って破顔一笑した。渋野らしいスマイルが戻ってきた。
試練の連続だったおよそ4カ月ものイギリス・アメリカ遠征、そして予選落ちの憂き目に遭った国内ツアー復帰戦を経て、前週のTOTOジャパンクラシックでは30位タイという結果を残した。3日間アンダーパーをマークし、最終日はノーボギーで回った。
伊藤園レディスの最終日に22歳の誕生日を迎える渋野日向子
「ただ、毎ラウンドを振り返ると、すごく悔しいところがある。今、苦労していることはこの先、絶対に無駄にならない。この苦労している時間も、すごく大切だと思う。今はひたむきにやっていくしかない」
とりわけ、壁にぶつかっているのがパターだ。バーディーチャンスにつけても、ことごとくカップに嫌われていた。そのため、先週からアドレスを少し修正したという。
「先週のキャディーさんに、『パターの構えがすごく小さく見える』と言われて。自分でももうちょっと、どっしり構えたらどうかなと思って、今はスタンスを広げて打つようにしています。
あと、パターのトゥ側ではなく、ヒール側を上げて打つイメージを持つようにしています。去年から取り組んでいたんですけど、入らなくなると、トゥ側が浮くクセがあったんです。
ショットに関しては、バーディーチャンスにつけられているので、すごく手応えがあった。今年一番じゃないかな。あとはパッティングとかみ合ってくれたら」
今年のトーナメントも残り3戦という状況で迎える伊藤園レディスは、昨年は予選落ちに終わっている。決して、験のいい大会とは言えない。だが、昨年の雪辱を果たすことで、来年末まで続く長いシーズンで、自身を上昇気流に乗せたいところだろう。
「去年のこの大会は、賞金女王争いの真っ直中で、その目標に向かってがんばっている状況だった。今は一試合、一試合を大事に、自分のゴルフを反省するために、一打、一打を大切に、ちゃんと考えて打つことを必要としている。
去年よりも、アメリカツアーへの思いが強い。将来のアメリカツアーでの戦いを思い描きながら、プレーしていますね」
伊藤園レディスの初日は、2週前の渋野の復帰戦でプロ初優勝を遂げた『ミレニアム世代(2000年度生まれ)』の西村優菜と、『新世紀世代(2001年度生まれ)』の西郷真央が同組だ。いずれも『黄金世代』の渋野よりも下の世代だ。
「歳的(としてき)には、長女ですけど(笑)、だからといって、意地を張ろうというのはまったくなくて、自分のことで精一杯。一年に一度しかない誕生日ウイークなので、いつもより楽しめたらいいなって思います」
リモート会見とはいえ、報道陣に向けて、現在取り組んでいるゴルフの課題を口にし、苦境を正直に吐露することで、渋野は自身を鼓舞しているのだ。