トップランクのボブ・アラムCEOが3団体統一戦へ見解 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)はWBO同級1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)にKO勝ち。4団体統一へ向けて再び動き出す中、トップランク社の…

トップランクのボブ・アラムCEOが3団体統一戦へ見解

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)はWBO同級1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)にKO勝ち。4団体統一へ向けて再び動き出す中、トップランク社のボブ・アラムCEOは、年明けの次戦の相手に再浮上しているWBO同級王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦について、「入場料収入がなければ(ファイトマネーを)払えない」と持論。新型コロナウイルス感染拡大の現状で行われている無観客試合の形式では実現しないと見解を示している。フィリピンメディア「ビジネスミラー」が報じている。

 ボクシングの聖地ラスベガスデビュー戦でマロニー相手に格の違いを見せつけた井上。次戦の相手として、4月25日に当初対戦予定だったカシメロや、12月に行われる元5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)とWBC同級王者のノルディ・ウーバーリ(フランス)によるタイトルマッチの勝者らが候補に挙がっている。

 アラム氏もモンスターの次戦について、2つの選択肢を挙げていたが、条件が存在するという。

「誰が入場料収入なしにファイトマネーを支払うというのだ。バブルの中で、カシメロ対イノウエというファイトを行うだけの余裕は私にない。ただ単に支払えない」

 トップランク社は新型コロナ感染防止のためにNBAなどと同じ「バブル」と呼ばれる厳格な隔離措置の下で、無観客試合を行っているが、入場料収入なしに3団体統一戦のようなビッグマッチを実現することは経営的に難しいと、アラム氏は主張したという。

カシメロ陣営に同情も「あれは不運だった。だけど彼は辛抱すべきだ」

「いい収益を上げるにはラスベガスのMGMグランドでお金を払って試合を見てくれる観衆が必要だ。MGMは次のイノウエ戦開催を求めているが、観衆を入れられないパンデミックの中、こんな試合を継続することはできない。彼ら(MGM)は観客と日本からの裕福なギャンブラーの来場を期待している。だが、パンデミックの中ではそれはできない」

 試合会場となるカジノホテルは井上の2戦目開催を求めているが、コロナ禍では収益は見込めないとアラム氏は語っている。

 一方、カシメロは井上とアラム氏に対する執拗な挑発を続けているが、ボクシング界のドンは「そんなことはしょっちゅうだ。関心がない。誰も気に留めてもいない」と一笑に付した。

 カシメロ陣営の挑発を完全に無視していたアラム氏だが、一方で新型コロナの影響で延期となったことには「あれは不運だった。だけど彼は辛抱すべきだ。イノウエが来年試合をする際には、カシメロが相手になる。すでにカシメロについて言及しているし、次戦の相手になると思うよ」とも語っていたという。(THE ANSWER編集部)