田中恒成はスーパーフライ級で猛威を振るうのか、世界戦線の現状とは ボクシングの元世界3階級制覇王者・田中恒成(畑中)は、12月31日に東京・大田区総合体育館でWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(Ambition)に挑戦する。世界的に強…

田中恒成はスーパーフライ級で猛威を振るうのか、世界戦線の現状とは

 ボクシングの元世界3階級制覇王者・田中恒成(畑中)は、12月31日に東京・大田区総合体育館でWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(Ambition)に挑戦する。世界的に強敵の多い階級。10日はオンラインで会見し、同級で猛威を振るう気概を見せた。田中の戦績は15勝(9KO)、井岡は25勝(14KO)2敗。試合はTBS系で全国生中継される。

 25歳の田中がスーパーフライ級に殴り込みをかける。昨年大晦日にフライ級王座3度目の防衛に成功。王座を返上し、1つ上の階級で4本目のベルト獲得に照準を合わせた。過去の階級変更時はノンタイトルの調整試合を挟んだが、今回はコロナ禍で試合ができなかったこともあり“ぶっつけ本番”。それでも勝つ自信に満ち溢れている。

「日本のボクシングを引っ張ってきたチャンピオンに挑戦する。本当にチャレンジャー。ここで世代交代というか、文句のつけようのないKOで決着させたい」

 KO勝利を宣言し、オンライン会見のパソコン画面は熱を帯びた。田中が飛び込むスーパーフライ級はタレント揃いだ。主要4団体にはWBO王者で31歳の井岡のほか、ロマゴンことWBAスーパー王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア・帝拳、33歳)、WBA正規王者ジョシュア・フランコ(米国、25歳)、WBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ、30歳)、IBF王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン、28歳)が君臨している。

リング誌選定のSF級ランクにも注目

 現王者だけではない。10月にエストラーダに11回TKO負けを喫したものの、ダウンの応酬で死闘を演じた元WBC王者カルロス・クアドラス(メキシコ、32歳)。元WBC王者シーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ、33歳)もいる。権威ある米専門誌「ザ・リング」は、階級別の格付けランクを掲載しており、「チャンピオン」がエストラーダ、1位がシーサケット、2位がロマゴン、3位が井岡、4位がアンカハスだ。2月にロマゴンに王座奪取を許した5位のカリド・ヤファイ(英国)も忘れてはならない。

 同級の実績がない田中はランク外だが、フライ級では1位だ(チャンピオンは空位)。「この階級は井岡選手も含めて強い選手がたくさんいる。そういう選手と戦っていくために入り口になる」と意気込み、井岡戦後の青写真についても「交渉事なのですぐにとはいかないけど、今後それは目標にはしています」と他団体王者との統一戦も視野に入れた。

 これまでの減量苦も緩和される。スーパーフライ級で長くやりたいか、という問いに「それもあるし、体重の変動はなくしたい。なくなってきているので、減量も含めてこの階級が一番力が出せると思う」と返答した。普段の体重は60キロ。52.1キロの同級でどんな戦いを見せられるのか。「この試合に勝って自分が日本のボクシング界を引っ張っていきたいという気持ちもある」という思いを胸に、井岡に挑む。(THE ANSWER編集部)