日本のプロ野球よりひと足早くシーズンを終えたメジャーリーグは、現在ストーブリーグの真っ最中。アメリカではFA市場の報道…

 日本のプロ野球よりひと足早くシーズンを終えたメジャーリーグは、現在ストーブリーグの真っ最中。アメリカではFA市場の報道が活発化し、メジャー移籍の可能性がある日本人選手についての報道も出始めている。



今季、開幕13連勝を飾った巨人・菅野智之も高く評価されているが・・・

 大手紙『ニューヨーク・ポスト』は、「今オフ、巨人の菅野智之はポスティングを利用してメジャーに移籍する可能性がある」と報じた。同記事では、メジャースカウト評を基に「強力な先発の3番手になれる」と紹介し、「トロント・ブルージェイズ、サンフランシスコ・ジャイアンツ、シカゴ・ホワイトソックスの3チームが有力候補」と予想。一方で、同じくポスティングでのメジャー移籍の意向を持つ、有原航平(日本ハム)も紹介しているが、「先発ローテーションの後半を担う投手になるだろう」としている。

 メジャー移籍が取り沙汰される日本の選手は米メディアでも特集が組まれるが、プロ野球の全選手、特に投手の中でもっとも注目されているのは誰なのか。著者は米メディア関係者の証言からリアルな現地評を探った。

 日本の選手を紹介した記事で興味深かったのは、大手メディア『CBSスポーツ』の「日本プロ野球で注目すべき選手」という特集だ。同記事では、鈴木誠也(広島)、森友哉(西武)、山田哲人(ヤクルト)など10人を紹介している。

 著者は、同記事を執筆したR.J.アンダーソン記者に詳細を聞いた。まず、メジャー移籍のニュースが増えている菅野は、スカウト陣にどう評価されているのか。

「彼はスカウトが重要視するポイントである、速球の重さ、変化球の精度、制球力のすべてで高い数値を出しています。94マイル(約151キロ)前後のストレートに加え、スプリット、カーブ、スライダーなど多彩な変化球と、スピンレートが高いボールが持ち味。そして、なによりも日本での実績があります。これらの理由から、先発ローテーションの3番手を任せられると評価されています」

 そんな菅野を差し置いて、同記者が「彼は、間違いなく日本球界ナンバーワンで、現在"もっともメジャーに近い投手"と言えます」と大絶賛したのが、ソフトバンクの千賀滉大だ。

「長い投球回、三振率の高さ、95マイル(約152キロ)の速球、球界上位の防御率、与四死球率の低さがいいですね。球種も、打者にとって厄介なスプリット、スライダー、カットボールなど、どれも高い評価を受けています」

 千賀の獲得を狙いそうな球団については、「あくまで予想ですが、ニューヨーク・ヤンキース、ロサンゼルス・ドジャース、シカゴ・カブスといった"ビッグネーム"が獲得に参入する可能性も大いにあります」と、米球界が寄せる期待度の高さを教えてくれた。ただ、千賀の海外FA権取得は順調にいって2年後。それまでに成績や状態が落ちるリスクを考えると「できるだけ早い時期のメジャー移籍が望ましい」と話す。

 このように、菅野と千賀はメジャーへの移籍を熱望されている。しかし近年、アメリカで新たに注目されている投手がいるという。オリックスの若きエース、山本由伸だ。

 アンダーソン記者は前述の記事で、「千賀に次ぐ、将来の日本のエース」と賞している。「彼はまだ21歳であるため、メジャー移籍をするにしても当分先のこと」と断りつつも、「来たるべき時には、アメリカでも有名になる選手だ」と期待を述べた。

 今年、山本に対する米球界の注目度はさらに高くなった。『ESPN』で投手アナリストを務め、"ピッチング・ニンジャ"の愛称で知られるロブ・フリードマン氏が、現地時間6月22日に自身のSNSで山本の動画をアップ。その動画が10万回以上再生され、山本の名が一気に広まった。

 フリードマン氏に話を聞くと、「山本投手は、速いストレート、打ちづらいスプリット、特徴的なカーブと、気迫に溢れるピッチングでアメリカの野球ファンを虜にしました」と賞賛する。

「彼が投げるカーブは握りが特徴的で、肘の角度によって鋭く曲がり、打者にとって非常に厄介な変化をします。このようなカーブは、メジャーの投手の中でも見たことがありません」

 そのように自身の分析を話したあと、「私は将来、彼がメジャーでも支配的な投手になれる選手だと考えています」と大胆に予想した。

 今回、名前が挙がった菅野智之、千賀滉大、山本由伸が、現時点で"メジャーから評価が高い投手"といえるだろう。プロ野球は間もなくシーズンを終えるが、メジャー移籍を巡る今後の動向が楽しみだ。