14日、ツインリンクもてぎで2017年の体制発表(&シェイクダウンテスト)を行なったSUPER GTのGT500ホンダ陣営2チーム。監督、選手、ホンダ首脳らは、来季の逆襲に向けて大いに意気込んでいる。早々に来季体制を発表した「ホンダ…
14日、ツインリンクもてぎで2017年の体制発表(&シェイクダウンテスト)を行なったSUPER GTのGT500ホンダ陣営2チーム。監督、選手、ホンダ首脳らは、来季の逆襲に向けて大いに意気込んでいる。
早々に来季体制を発表した「ホンダ NSX-GT」の2騎、#64 ナカジマ・レーシングと#16 チーム無限。ナカジマを率いるのは日本人初代F1レギュラードライバーとして知られる中嶋悟監督だが、年内発表に際してこう語っている。
「2016年は我々にとって楽しくないシーズンだったわけですが、この時期に次のシーズンの体制を発表するというのは過去にない異例なことでしょう。それくらいの気合であると理解していただければと思います」
16年はGT500のホンダ勢が0勝。特に全車ノーハンデの状況で実施された最終第8戦もてぎでは、15台出走のGT500で、参戦したホンダ勢5台が11~15位独占という苦い結果を味わった。中嶋監督が言うように、ホンダの関係者やファンにとって「楽しくないシーズン」だったことは明らかだ。
この状況に対し、車両規定変更年でもある17年に向けてはホンダも決意を新たにしている。ホンダの山本雅史モータースポーツ部長が語る。
「(16年は)ホンダにとって悔しい思いをした一年でした。ホンダとして、マシンの開発等々でやり切れていなかった部分があり、ドライバーや監督のみなさんには迷惑をかけたと思っています。そういった反省も受けて、来季はドライバー、チームの力もお借りしながら『なんとしても勝ちにいきたい』、そう考えています」
なんとしても勝つ、そのための改革の目玉が、ともに戦うタイヤメーカー数の増加である。熾烈なタイヤ戦争が展開されているSUPER GTでは、多くのメーカーのタイヤを履くことが陣営(自動車メーカー)としての勝利の可能性を拡大する選択肢のひとつ。山本部長は「ホンダとしての戦略の幅を広げたい」と語っており、来季はブリヂストンを含む3社以上(3か4)のタイヤメーカーとの共闘を決めた。
新たにヨコハマと組む#16 無限、そしてダンロップとのコンビを継続する#64 ナカジマの4人の17年ドライバーたちは以下のようなコメントを語っている。
#16 武藤英紀(参戦終了したドラゴ・コルセから移籍)
「無限とはかつてGT300でともに戦い、チャンピオンになった経験もあります。その無限で、(中嶋)大祐と、そしてヨコハマタイヤさんと一緒に戦えることが楽しみです。まだ未知数な部分も多いですが、ひとつひとつ課題をクリアしていけば、自分たちが望む結果に辿り着けると思います」
#16 中嶋大祐(ナカジマから移籍)
「移籍で環境が変わるわけですが、無限はGT300で走っていたこともあるチームなので、懐かしいというか、違和感はないですね。ただ、ヨコハマタイヤさんとは少しずつ、いろいろなことを組み立てていかないといけないと思います。みんなで協力して強いチームをつくっていきたいです」
#64 B.バゲット(残留)
「チームとホンダと一緒に4年目のシーズンを迎えることになり、本当に嬉しく思います。来季こそ、ぜひとも勝利を得たい。(新パートナーの松浦)孝亮はGT500での経験が豊富なドライバーであり、我々の強みになる存在だと思います。彼と組めるのも嬉しいですね。全力を尽くります」
#64 松浦孝亮(ARTAから移籍)
「僕が中嶋さんのところで走るというのは(自他ともに)イメージがないかもしれませんが、新しいチームでマシンとタイヤの開発することに対し、とても新鮮な気持ちです。バゲットも頼もしい存在ですので、全力で表彰台、そして近い将来の優勝を目指します」
NSX CONCEPT-GTからNSX-GTという名称に変わった17年規定対応ニューマシンで挑む新季に向け、ホンダ陣営は早くも気合充分。発表会後の午前10~11時にはシェイクダウンテストの最初のセッションが実施され、両チームはウエットコンディションのなか、17年に向けての走り初めをスタートさせている。
ホンダの来季GT500マシン「NSX-GT」。写真:Honda
ホンダの山本モータースポーツ部長。撮影:遠藤俊幸
#64 ナカジマの(左から)中嶋悟監督、バゲット、松浦。撮影:遠藤俊幸
#64 ナカジマ・レーシング(バゲット&松浦)写真:Honda
#16 チーム無限(武藤&中嶋)写真:Honda
もてぎではシェイクダウンテストも開始されている。写真:Honda
もてぎではシェイクダウンテストも開始されている。撮影:遠藤俊幸