カシメロの母国解説者が推測「カシメロ戦に難色を示したのは驚いた」 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は米ラスベガスデビュー戦でWBO同級1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)に7回2分59秒KO勝ち。…

カシメロの母国解説者が推測「カシメロ戦に難色を示したのは驚いた」

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は米ラスベガスデビュー戦でWBO同級1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)に7回2分59秒KO勝ち。次戦が注目される中で、一度は対戦が決定も新型コロナの影響で流れたジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は早速挑発を開始した。井上自身もターゲットの1人と認めている他団体のライバル王者だが、カシメロの母国の識者は、井上をプロモートするトップランク社のボブ・アラムCEOが井上―カシメロ戦を避けていると、持論を展開している。

 鮮やかなカウンター一閃。井上はマロニーを衝撃KOで破り、2本のベルトを守った。次戦で戦うのはノルディ・ウーバーリとノニト・ドネアが争うWBCのベルト保持者か、WBO王者のカシメロか、それとも……。ボクシング界の関心事の1つとなっているが、カシメロの母国フィリピンのテレビ局「ABS-CBN」は「“危険な”カシメロはナオヤ・イノウエにとってハイリスクなのか?」と題した記事を掲載している。

「日本ボクシング界のスターであるナオヤ・イノウエが、既に対戦を待ち望んでいるジョンリエル・カシメロの代わりにノニト・ドネアとノルディ・ウーバーリの勝者と戦うことを選んでも驚かないで頂きたい」

 こう書き出された記事では、同局のボクシング解説員、エド・トレンティーノ氏の独自の見解を紹介している。

 同氏はアラム氏が井上をマニー・パッキャオ以来の次世代スターとして大きく育てたい意向を持っていると推測。その上で「ボブ・アラム氏が4月に開催されるはずだったカシメロとの戦いに難色を示したことに驚いた。両者は試合に同意し、試合開催には何も問題がなかったはずだ」とコメントしている。

アラム氏がカシメロ戦を望まない理由とは?

 カシメロとは4月25日にラスベガスで対戦することが決まっていたが、新型コロナ感染拡大の影響で延期となっていた。

 だがトレンティーノ氏は「彼らはカシメロと戦うことに対して熱心ではなくなったと思える。私の推測ではアラムは、契約したばかりのイノウエをまずは披露したかったんだと思う。リスクのある“危険”なカシメロと戦う前に」と持論を展開。「そしてアラムはもっと安全に行きたいと考えている可能性が高い。彼は適切なカードを切りたがっているだろう」と続けている。

 その理由として「もしイノウエがドネアに快勝したら、そのままカシメロと戦っただろう。しかし、イノウエはドネアに苦戦した。彼は連続でタフな相手と戦いたくはなかったんだろう」と分析している。

 井上にとってカシメロは危険な相手――。アラム氏はそう判断し、両者の対戦を実現させなかったとストーリーを描いているようだ。4団体統一を目指す井上にとってはカシメロは間違いなくターゲットの1人。2人が拳を交える日は来るだろうか。(THE ANSWER編集部)