体操界のレジェンドが、とんだ濡れ衣(ぬれぎぬ)を着せられた。 五輪2大会連続金メダリストの内村航平(31)がPCR検査…
体操界のレジェンドが、とんだ濡れ衣(ぬれぎぬ)を着せられた。
五輪2大会連続金メダリストの内村航平(31)がPCR検査を受けて新型コロナウイルス陽性だったことが10月29日に発覚した。国際体操連盟が発表したニュースは世界へと拡散。11月8日に東京で行う国際大会を直前に控えていただけに、大きなショックが広がった。
その、わずか2日後。3カ所で再検査を受けた内村はすべて陰性だったため、「偽陽性」だったことが発表された。大会に向けて体調万全だった内村は、感染の疑いを晴らしたのだが…そもそも「偽陽性」って何??
まずPCR検査について理解しないといけない。鼻についた粘液や唾液から比較的簡易に検査できることで使用頻度が増えている方法だが、正しく陽性と判定できる確率は70%程度しかない。残り30%の確率に、よりによって内村が入ってしまい、クローズアップされる形になった。
PCR検査がさらに恐ろしいのは、新型コロナウイルスに感染しているのに「陰性」と判定してしまうこともあることだ。「偽陽性」の反対で「偽陰性」と呼ばれる。「偽陰性」と判定された人が、隔離されず、陽性の判定を受けて自主規制をゆるめ、感染源となって被害が拡大してしまう可能性も十分ある。
内村が一時出場とりやめを検討された体操の4カ国交流大会は、コロナ禍における日本で行う初めての五輪競技の国際大会。来年夏に延期となった東京五輪に向けた「プレ大会」として、重要な位置づけにあった。コロナ対策として積極的に取り入れているPCR検査の信用度が低いとなれば、根本から構想が崩れてしまう。
大会前には米国、中国、ロシアから続々と選手が入国する。それでもPCR検査に頼らざるをえない現状のため、「定期的に検査を受けてさえいれば安心」と思っていた関係者には頭が痛い。内村の陽性判定によって、練習拠点のナショナルトレーニングセンターが一時利用できなくなったように、本番前に練習会場が確保できなくなる問題も浮上する。
国際体操連盟は保健所へ、内村の陽性届け出の取り下げを報告。内村は国際大会に向け、出場する方向で調整するという。幸か不幸か、内村という超ビッグネームの「偽陽性」判定によって、大きな課題に直面した体操界。五輪開催可否にも関わるだけに、対応が注目される。
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