新型コロナウイルスの猛威は収まるところを知らず、メジャーの移籍市場にも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。MLB機構はオフ最大のイベントであるウインターミーティングの延期を現地10月30日に発表。従来のリゾートホテルに1000人を超す関係…

 新型コロナウイルスの猛威は収まるところを知らず、メジャーの移籍市場にも大きな影響を及ぼすことになりそうだ。MLB機構はオフ最大のイベントであるウインターミーティングの延期を現地10月30日に発表。従来のリゾートホテルに1000人を超す関係者が集合するスタイルではなく、必要に応じてオンライン会議システムで会合を重ねていく形に変更するという。

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 今オフのウインターミーティングは、12月7日からテキサス州ダラスで4日間行われる予定だった。

 例年大物FA選手はこのウインターミーティング中に大型契約を結ぶことが多い。SランクのトップFA選手の行方が決まることにより、それに次ぐAランク以下の選手たちの交渉も本格的に動き出す。大型トレードも複数件まとまることがある。このイベントを契機に、移籍市場が活性化。クリスマス休暇にかけて雪崩式に次々と契約が成立していく。


 今オフ、FAとなる日本人大リーガーはヤンキース・田中将大と、マリナーズ・平野佳寿の2人。両投手とも残留引き留めがあっておかしくない実績を残しているが、そこを不透明にさせているのがこうしたコロナ禍による現状だ。ただでさえ各球団はレギュラーシーズンが162試合から60試合へ縮小し、全試合が無観客開催となったことにより、入場料収入など大幅な減収に陥っている。それに加えて、ウインターミーティングの延期によって、移籍市場の流れ自体が例年のスケジュールとは変ってくる。ますます先が見通しにくい状況となった。

 またNPBからメジャー挑戦する選手たちへの影響も無視できない。昨オフには巨人・菅野智之、ソフトバンク・千賀滉大、ロッテ・石川歩、DeNA・山崎康晃、日本ハム・有原航平、西川遥輝らが将来的なポスティングシステムでのメジャー挑戦の希望を口にした。米メディアでは海外FA権を取得したロッテ・沢村拓一の動向に、複数の球団が注目しているとも報じられた。

 懸念される一つのリスクが、移籍市場が停滞し、大幅に遅延することだ。ただでさえ近年の移籍市場は以前よりも長期化し、年明けまで大型契約がずれ込むことも増えてきていた。ウインターミーティングの延期で移籍市場の動きが遅れれば遅れるほど、日本から挑戦する選手たちには不利に働く。

 特にポスティングシステムは、申請から契約締結までの期間が30日間と決められている。その期間内に契約がまとまらなければ、次回申請は1年後のオフとなってしまう。従来の申請期間は11月1日から12月5日までだったが、日本もシーズン全体が大きく後ろ倒されたため、このほどNPB機構は申請期間を遅らせる交渉をMLB機構と始めた模様だ。

 メジャー挑戦を真剣に検討するような選手たちは、NPBで実績を残しており決して若くはない。1年でも早く海を渡りたいのは全員に共通する考えで、1年遅れただけでも市場価値は概ね下がる。ただし、あまりに不安定要素が多いこのオフのメジャー移籍市場に勇気を持って飛び込むことができるのか。メジャー志望を公表していた選手たちの決断に注目が集まる。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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