取材現場では竹内雄作(岐阜99期)選手のことを“竹内さん”と、ちゃんと呼んでいます。でも、文章で“竹内さん”にすると、堅…

取材現場では竹内雄作(岐阜99期)選手のことを“竹内さん”と、ちゃんと呼んでいます。
でも、文章で“竹内さん”にすると、堅苦しくなってしまうような気がするので。
この場では“ユーサク”で、統一させていただく。

筆者が競輪に携わるようになってから3年半余。
だから残念なことにユーサクが富山G2共同通信社杯(2016年)を制したのは見ていない。
それでも、取材を始めてからユーサクの顔と名前はすぐに一致。
顔と名前……いや、最初は体躯で覚えたかも知れない。
とにかく太い首、小柄ながらガッチリした上半身に、これぞ競輪選手という太腿。
現場でなく、何気なくレース中継のTV画面に目を向けた時でも。
周回中の9車、一本棒の状態でもユーサクがどこにいるかは瞬時に分かる。


車券相性はあまり良くなかった(過去形)ですね。
期待して買うと……着外というケースが多し。
「ユーサクはピン(1着)か8、9着だから」
という記者さんの言葉に納得するばかりで、買い難かった(過去形)のであります。

取材開始から2年程が経つと。
親しくなる、挨拶プラス雑談を交わす選手も増えてきたのですが。
ユーサクはなかなか筆者のテリトリーには入ってこなかった。
とっつき難いとかではなく、単純にユーサクが人見知りだということを認識。
まぁ、仕事(勝負)にきている選手に対して。
こちらから緊張感なく、積極的に接するものでもないし。
という訳で、ユーサクとは会釈程度の関係が続いていたのです。
が、今年に入ってからはなぜだか急にユーサクと話す機会が増えました。
(もちろん、コロナ対策を遵守し、ソーシャルディスタンスを保って)
内容的にはレースの振り返り、反省なんかがメインですけれども。
「今はこういうトレーニング(具体的なことは割愛)を採り入れるようになった」
「ナショナルチームの選手はあそこからもう1度、踏み直せる。自分もそうなりたい」
など、中長期的な視野で、向上心に溢れた話しが多い印象。
筆者は競争スタイルとメンタルのマイナーチェンジを感じていました。
で、そのような話しを聞いたら、こちらも赤い血の流れる人間ですから。
買い難いユーサクの車券も買ってしまうもの(笑)。
でも、そのおかげでユーサクとの車券相性は良くなりました。
近走のユーサクは「ピンか8、9着」だけじゃないですからね!
逃げ切って、捲っての1着以外にも、粘っての確定板も多い。
決して器用なタイプではないんやろうけれども。
地道ながらもマイナーチェンジして、分厚い殻を打破しようとしている姿。
そこは人として尊敬できる、見習わなくてはいけない部分やなと。
最近のユーサクから強く思うところであります。

先日の京王閣G3ゴールドカップレース(追加斡旋)において。
初日のS級一次予選、ユーサクは通算300勝を達成した!
登録日から9年11ヶ月23日での節目勝利はJKAからの表彰対象(登録日から10年以内)。
史上6人目(僅か)の記録であることからも記録達成の偉大さは分かるだろう。
期限ギリギリでの達成も何かユーサクらしいような気もするし(笑)。
そもそも前述したように京王閣記念は追加斡旋。
前走の前橋G1寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントの3日目で299勝に。
リーチ一発を狙った最終日も豪快な捲りを放ったが。
大外から森田優弥(埼玉113期)がさらに上を超え、惜しくも2着で300勝到達ならず。
「勝ちたかったですね……もっと練習しろということですね、練習します」
そう言い残して、前橋を去っていったユーサク。


「ユーサクに追加、入んないかね。300勝表彰、決めて欲しいよね」
ユーサク贔屓のレジェンドカメラマンと話していたのですけれども。
はい、シッカリ決めてくれましたね!

ちなみに京王閣記念ですが、筆者は3〜4日目の取材。
ユーサク贔屓のレジェンドカメラマンは前検日と3日目でした。
はい、共にユーサクの300勝達成は見ることができず。
3日目の301勝は見られたんですけれどもね(苦笑)。

今後もユーサクが勝利を堅実に積み重ねていくのは取材時の楽しみの一つ。
ただ、やっぱり、厳しい勝負の世界である訳ですし。
やがてフルモデルチェンジの時期もやってきて、高い壁を乗り越えなければならないだろう。
そのようなユーサクの姿を見るのも楽しみの一つか。
筆者もできるだけ長く競輪界に携わっていきたい。
ユーサクの300勝達成で、改めてそう考えるようになった。


*BREAK*
破壊、割れる、折れる……などの他に、
小休止(休憩)、変わり目(分岐)、夜明けという意味も持つ。