12月12日(月)東京ドームでオービックシーガルズと富士通フロンティアーズが社会人日本一の座を懸けて戦う第30回日本社会人アメリカンフットボール選手権ジャパンエックスボウル。3年ぶりの王座奪還を目指すオービックは、新人たちが出色の活躍を演じている。中でもDL仲里広章(立命)は、接戦を制して勝ち上がってきた中で、欠くことのできない活躍を演じてきた。

『一流』のスイッチを持つ男

古庄直樹・新ヘッドコーチ体制1年目で、3年ぶりのJXB進出を遂げたオービックシーガルズ。数々の強敵を接戦で下して全勝でこの舞台に立ったチームは、すでに半数近くが4連覇時代を知らないメンバーになっている。

今季の躍進の原動力となったのは、即戦力新人の存在だ。中でも元日本代表主将の古庄HCをして、「一流選手のスイッチを持っている」と、言わしめるのがDL仲里広章(立命館大)だ。

ずんぐりとした体型と優しい口調が相まって、普段は柔和なイメージの仲里だが、一度フィールドに入ると爆発的なスタートの速さで自分よりも大きなOLのブロックを跳ね飛ばし、ボールキャリアに襲いかかる獰猛な野獣に変貌する。勝負所で『自分が止める』という気迫をプレーに乗せることができる選手だ。

3対3の延長タイブレーク戦の末に宿敵パナソニックインパルスを下した一戦は、仲里の気迫が爆発した試合だった。

0対0で迎えた第4Q、攻撃がインターセプトを喫して、オービック陣38ヤードからの守備機会だった。パナソニック攻撃に第1ダウンを2度更新され、ゴール前10ヤードに迫られた場面で投入された仲里の活躍は、この試合に勝利するために無くてはならないものだった。第1ダウンのランに対してはOLのブロックをすり抜けて2ヤードのロスタックル。第3ダウンで展開されたTD狙いのパスに対しては、パナソニックQB高田鉄男(立命)が投球体制に入る直前に目前に迫って手を上げ、高田のパスのコントロールを乱して失敗に追い込んで、絶体絶命のピンチをFGによる3点に食い止めた。

終了43秒前にオービックが同点FGを決めた直後の守備機会では、パスインターフェアの反則を取られてオービック陣に攻め込まれた。残り時間は30秒。FGを決められてしまえば、反撃する時間は残されていない。そんな追い詰められた状況下で、仲里はQBサックを決めてパナソニック攻撃を自陣に押し戻して見せた。

しかし、パナソニックに2度パスを決められて再びゴール前34ヤードまで攻め込まれた。パナソニックK佐伯栄太(桃山)にとっては、51ヤードのFGは、簡単ではないが決められない距離ではない。

残り3秒で勝ち越しを狙ったパナソニックのFGに対し、仲里は中央から思い切り手を伸ばしてジャンプし、指先でボールの軌道を変えた。パナソニックの逆転逃げ切りFGは失敗。勝負を延長タイブレークに持ち込むことができた。今年1月、立命館大の4年生として出場したライスボウルでパナソニックと対戦した時も、仲里はFGブロックを演じている。

「自分が止めなければ」という思いが培われたのは明治学院東村山校時代だった。

当時の明学東村山は人数が少なく、仲里は攻守兼任ラインとしてプレーしていた。守備をしている時は常に「自分が止めるなければ」と思ってプレーしてきた。

大学時代からトップ選手として活躍してきた仲里がオービックの一員になったのは、仲里が高校、大学時代にライスボウル4連覇を遂げた強いシーガルズに憧れたからだった。

1年目にして、しかも主力選手として自らの手でシーガルズを再び日本一のチームにできるチャンスに、仲里は燃えている。

「富士通の攻撃を止めるには、キャメロン選手にどれだけプレッシャーをかけられるかです。スクランブルの能力も高いので、逃げられないようにプレッシャーをかけなければならない。手強い相手ですが、キャメロン選手を止めることができればシーガルズの守備が一番だということを証明できる」

仲里は対戦にワクワクした気持ちだという。

仲里は12月12日、東京ドームのフィールドでキャメロンを追いかけ回し、パニックに陥れるイメージを固めてフィールドに立つ。

(ハドルマガジン12月増刊号Vol.23の記事を再編集)

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