GI天皇賞・秋(東京・芝2000m)が11月1日に行なわれる。 牡牝で無敗の三冠馬が誕生し、その歴史的な快挙に沸く競馬…

 GI天皇賞・秋(東京・芝2000m)が11月1日に行なわれる。

 牡牝で無敗の三冠馬が誕生し、その歴史的な快挙に沸く競馬界だが、天皇賞・秋でも偉大な記録が樹立されるかどうかに大きな注目が集まっている。1番人気が予想されるアーモンドアイ(牝5歳)が、日本競馬史上初の芝GI通算8勝を果たせるかどうか、である。

 過去10年の1番人気の戦績を見てみると、5勝、2着2回、3着1回、着外2回。比較的安定した成績を残している。しかも今年は、出走予定馬が12頭。少頭数での戦いになる分、紛れが少なくなり、アーモンドアイの快挙達成には有利に働きそうだ。

 そうした状況にあって、中日スポーツの大野英樹記者は「1番人気の成績からしても、穴党にとっては厳しい一戦です」と言う。そして、日刊スポーツの木南友輔記者も「アーモンドアイと、同じく人気サイドのクロノジェネシス(牝4歳)も、ともにGI直行ローテは得意ですし、明確な弱点は見つかりません」と話す。

 となると、穴党の出番はなさそうだが、「アーモンドアイだからといって、まったく隙がないわけではない、ということがこの一年の成績でわかってきました。激戦の間隙を突いて、アーモンドアイに迫れる馬を探したい」と大野記者。決してゼロではない波乱の可能性を示唆しつつ、アーモンドアイ絡みでも好配当が見込めそうな馬に狙いを絞る。

 そこでまず、大野記者が穴馬候補に挙げたのは、昨年2着のダノンプレミアム(牡5歳)だ。

「オーストラリア遠征からの帰国初戦となった前走のGI安田記念(13着。6月7日/東京・芝1600m)では、内の荒れた馬場に何度か脚を取られて戦意喪失。改めて、気持ちの面において難しさがあることを露呈してしまいました。

 しかしそれ以降、この中間はさまざまな馬具を試行し、気持ちを乗せる調整を心がけてきました。その結果、1週前の追い切りでは、しっかり折り合いがついて、最後はこの馬らしい力強い伸び脚を見せていました。中間でやってきたことの効果は大きかったように思います。

 その間、心身のリフレッシュにも成功。これまで、休み明けで崩れたのはダービーだけですから、休養明けの今回が狙い目ですよ」

 大野記者はもう1頭、スカーレットカラー(牝5歳)にも期待する。

「1番人気に推された前走のGIIIクイーンS(8月2日/札幌・芝1800m)では、展開を考慮して最内を突く作戦を取りましたが、それが誤算となりました。(前が)詰まりまくって、最後に(抜け出す)スペースを見つけたものの、3着に食い込むのがやっと。この結果は度外視していいでしょう。

 今回は約3カ月ぶりのレースとなりますが、馬体維持が難しいタイプですので、使われるよりも、休み明けのほうが力を出せます。かなりの人気薄になると思いますが、この頭数でロスなく運べるようなら、アーモンドアイに勝てないにしても、際どく迫るシーンを期待したくなります」



天皇賞・秋での大駆けが期待されるスカーレットカラー

 スカーレットカラーについては、木南記者も注目しているという。

「忘れられないのは、昨年10月のGII府中牝馬S(1着。東京・芝1800m)のパフォーマンスです。展開がドンピシャにハマッたとはいえ、そのレースぶりはもちろんのこと、やや重の馬場状態での勝ち時計(1分44秒5)が何より優秀でした。その前週に良馬場で行なわれたGII毎日王冠(東京・芝1800m)と比べても、勝ったダノンキングリーとほぼ同じタイム(1分44秒4)でしたからね。

 また、コントレイルが5馬身差で圧勝した昨秋のGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)とも同じ勝ちタイムでした。当時は比較するのもどうかといった感がありましたが、同馬が無敗の三冠馬となった今は、十分に評価の裏付けとなるのではないでしょうか。

 そして、そのレース(府中牝馬S)が終わった瞬間にパッと浮かんだのは、『天皇賞・秋を使ったら、面白いんじゃないかな』ということ。すると実際、スカーレットカラーを管理する高橋亮調教師もレース後に『登録はする』と話していました。結局、中1週だったこともあって、自重してGIエリザベス女王杯に向かいましたが、そういう経緯もあって、同馬には注目していました。

 今年は、クイーンS3着からのローテで、その評価は高くありませんが、そもそもここを目標にしていたのなら、最良のローテかもしれません。昨年の府中牝馬Sでは、直線のさばきも完璧でした。同じような競馬ができれば、ここでも最後に突っ込んでくるだけの脚はあるかな、と思っています」

 木南記者ももう1頭、気になる馬がいるという。東京巧者のダイワキャグニー(せん6歳)だ。

「春以来、という馬が多いなか、前哨戦のGII毎日王冠(10月11日/東京・芝1800m)で2着。定石どおりの過程を順調に進んできている点には好感が持てます。しかも、前走は去勢手術明け初戦。それで2着なら、申し分ないでしょう。

 馬場不問で、府中の鬼。毎日王冠でも、レース前には鞍上の内田博幸騎手が『休み明けはどうか』と話していましたが、勝ったサリオスが別格の走りを見せるなか、この馬も自分なりの脚を使って、きっちりと結果を残しました。今回はハナを切ると思いますが、叩き良化型ゆえ、展開次第では粘り込みがあってもおかしくありません」

 はたして、3週連続の快挙達成となるのか。はたまた、歴戦の実力馬たちがそれを阻止するのか。この秋最初の古馬頂上決戦から目が離せない。