気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。2016年12月9日付●税制改正、変わる暮らし、自…
気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2016年12月9日付
●税制改正、変わる暮らし、自動車。エコカー減税対象減、車業界、縮小の影響懸念(読売・7、12面)
●株、今年最高値1万8765円(読売・13面)
●クラブW杯、金崎決勝ヘッド、鹿島底力で逆転(読売・23面)
●ホンダ中国工場19年前半稼働へ、PHVなど生産検討(朝日・11面)
●TPPきょう成立(産経・5面)
●マツダ、小型貨物車2万7000台リコール(産経・29面)
●社説、与党税制大綱、どこが「改正」なのか(東京・5面)
●高額2紙幣廃止、インド新車販売に打撃(日経・12面)
●KDDIビッグローブ買収発表、顧客層、個人から家族へ(日経・15面)
ひとくちコメント
自民・公明両党が、2017年度の税制改正大綱を正式決定した。最大の目玉は女性が働きやすい環境を整えるための所得税の配偶者控除だったが、控除を受けられる配偶者の給与収入の上限を、現在の年間103万円以下から150万円以下に引き上げることなどが盛り込まれた。
ほかに、酒税の見直しでは、麦芽の比率などで税率が異なるビール類について、2020年10月から、段階的に一本化をはかって、ビールを減税する一方、発泡酒と「第3のビール」を増税する。
また、自動車関連税制では、エコカー減税を2017年春から2年間延長するものの、現在、新車の9割程度が減税対象となっている燃費基準を厳格化して、1年目は8割程度、2年目からは7割程度に絞り込む。
エコカー減税が見直され対象車種については、きのう(8日)の「新聞ウォッチ」でも取り上げたが、きょうの毎日と日経などにも具体的な車種を上げている。
それによると、大綱が決まるぎりぎりの時点まで調整を繰り広げてきたクリーンディーゼルの適用については、ハイブリッド車や電気自動車とともに、引き続き取得税や重量税などの「免税」対象となった。『デミオ』や『CX-3』などクリーンディーゼル車を多く扱うマツダなどは土俵際で踏みとどまった格好だ。
一方、2015年度基準の40%を上回るホンダの『オデッセイ』やトヨタの『アルファード』、富士重工のスバル『フォレスター』などは2年目から減税の対象外。5%以上の富士重工のスバル『インプレッサSPORT』などは1年目からいきなり減税なし。主力車のほぼ全てが適用外となる富士重工は大きな痛手だ。
きょうの各紙も「与党、税制改正大綱を決定、税収減避け小幅な変更」(朝日)などと取り上げているが、読売は「エコカー減税、車業界縮小の影響懸念」と伝えている。
そんな中、日本自動車工業会の西川廣人会長(日産自動車共同CEO)が税制改正について「2015年度燃費基準を達成している一部を対象に残したうえで延長頂いたことは、お客様にとって多種多様な車で減税メリットが受けられ、国内市場回復に寄与するものと期待する」などとコメント。「期限切れ」するところを「延長」を受け入れてくれたことでの歓迎のようだ。
だが、きょうの東京の社説の「どこが『改正』なのか」というタイトルではないが、自動車のユーザーからみれば、エコカー減税は“ エコカー増税”に改正されたのに過ぎない。不信感、不公平感を生む制度こそ改めるべきである。
マツダ・デミオ《撮影 諸星陽一》
マツダCX-3《撮影 宮崎壮人》