「ギャップ萌え」女子レスラー世志琥インタビュー 後編 「ギャップ萌え」が話題の女子プロレスラーの世志琥(よしこ)。3月の緊急事態宣言後に、スイーツ作りやメイクをする様子を動画共有サイト「TikTok」で配信し続け、ヒールレスラーの怖い見た目…
「ギャップ萌え」女子レスラー世志琥インタビュー 後編
「ギャップ萌え」が話題の女子プロレスラーの世志琥(よしこ)。3月の緊急事態宣言後に、スイーツ作りやメイクをする様子を動画共有サイト「TikTok」で配信し続け、ヒールレスラーの怖い見た目とのギャップが大人気になった。
TikTokのフォロワーは約34万人、その動画をアップしていた「Twitter」は、約4000人から間もなく14万人とフォロワー数が急増した。中には、1本で約400万回も再生された動画もあり、今年9月には初のスイーツ本『世志琥の極上スイーツ作りやがれ!』(ワニブックス)を出版するまでになった。
インタビュー後編は、動画が"バズる"までの経緯と、話題のスイーツ作りの裏話も聞いた。
SNSに配信したスイーツ作りやメイク動画が大きな話題になった世志琥 photo by Tanaka Wataru
――ステイホーム期間中に、動画を配信することになったきっかけは?
「試合やイベントがすべて中止になってしまったあとに、私が所属するSEAdLINNNG(シードリング)の宣伝部長で、人気TikTokerの『あぃりDX』ちゃんから、『世志琥さんのTikTokを1カ月プロデュースしたい』という話があったんです。
TwitterなどのSNSは苦手だったんですが、緊急事態宣言中は試合がなく、さらに発信することがなくなってしまい......。時間はあり余っていたので、あぃりちゃんから提案してもらった企画をやることにしました。とにかく1カ月、『やるしかない!』という感じでしたね(笑)」
――苦手なことを続けるのは大変だったんじゃないですか?
「すごく大変でした。あぃりちゃんと直接会うこともできないので、朝から晩まで連絡を取り合いながらレシピや内容を考えて、撮影した動画をあぃりちゃんに送って編集してもらうことを繰り返しました」
――TikTokでの動画投稿は4月14日に始まりましたが、手応えを感じたのはいつ頃ですか?
「5月1日にアップした『ディズニーチュロス』ですね(10月17日時点で約394万回再生)。Twitterでも爆発的にバズって、もっと多くの人に見てもらえるようになったと思います」
――もともと、料理やお菓子作りは得意だったんですか?
「料理やお菓子作りは趣味でやっていました。動画を撮りながらだと、作るものによってあり得ないくらい時間がかかりますけどね。クッキーでも3時間くらいかかっちゃいます(笑)。『あつまれ どうぶつの森』など、キャラクターのクッキーを作る時も多いんですけど、型もひとつずつ自分で作りますから」
スイーツ本にも掲載された
「動物デコのチョコバナナ」(写真:世志琥本人からの提供)
――他に作ったスイーツを紹介してください!
「スイーツ本に載せたものだと、『動物デコのチョコバナナ』はかわいくできたと思います。動物の顔は、お菓子作り用のカラーペンやチョコペンで描きます。ポイントは、バナナをチョコでコーティングしたあとに一度冷やすこと。そうするとデコレーションがしやすくなります。それでも耳の部分は取れやすいので気をつけて!
チョコバナナはTikTokでも人気だったメニューですが、本に載せたものはその新作です。本に載せたメニューは、新しく考えたレシピも含めて、あらためて全部作って撮影していきました。ご飯系も合わせて40種類あるんですけど、クッキングスタジオで2日間でやり切りましたよ(笑)。
本に載せたもの以外だと、『フラワーサンド』はかなり手が込んでいます。なにせ、パンを前日から仕込んで焼きましたからね(笑)。生クリームも、食べやすいようにクリームチーズを混ぜたこだわりの味。フルーツが花になっている断面はかなり"映える"のでオススメです!」
にらみ顔と華やかな
「フラワーサンド」。このギャップに萌えるファンが急増中 (写真:世志琥本人からの提供)
――ちなみに、ご飯ものの自信作は?
「ディズニーキャラのダッフィーのオムライスです。ダッフィーはガーリックライスで、その恋人のシェリーメイはケチャップライスで作り、最後に卵のお布団をかけてあげます。このオムライス、憧れの飯伏幸太選手(新日本プロレス)に食べてもらいたいなぁ......」
――飯伏さんへの思いは、テレビ番組に出演した際も語っていましたね(笑)。そういった出演があったあとは、反響も大きいんじゃないですか?
「テレビの力はメチャクチャ大きいですよ。SNSのフォロワーの数も増えますし、企業さんからコラボ商品のお話もいただきました。本当に嬉しいです。アレンジメニューをいろいろ考えている時には、『あれっ、自分はプロレスラーだよな?』って一瞬我に返りましたけど(笑)」
――ここまで発信力が大きくなった世志琥選手の、今後の展望は?
「動画を配信したり本を出したりということも、すべてはプロレスを観にきてほしいからです。私のSNSをフォローしてくれた方の多くは、まだプロレスを観たことがないんじゃないかと思います。私がもっとブレイクすれば、それをきっかけに試合にも興味を持ってくれるかもしれない。
コロナ禍の今は、会場に足を運んでもらうことが難しいですけど、そんな時こそ『どうやってプロレスを伝えていくのか』が課題ですよね。ありがたいことに、私はたくさんの人に声を届けられるようになったので、率先してやっていこうと思います」
――真面目なんですね。
「あ、いや、そんなことない......そんなことねぇよ! とにかくテメェら、これからも応援よろしくだぞコノヤロー!!」