バルサのクーマンプロジェクト 信頼するための６つの注意点

FCバルセロナはクラシコでレアル・マドリーに1-3で敗れ、深く失望した。審判の判定による憤りを超えて、ピッチ上やベンチワークの反応の悪さは顕著だった。81分まで動かなかったロナルド・クーマンの手腕に疑問を抱く者もいるだろう。
しかし、この試合までのアプローチとクラシコを分析すると、クーマンのチームは退廃的な昨シーズンとは異なり、建設中であることを裏付ける要素が見えてくる。
4-2-3-1の新システム、世代交代、夏の危機後のレオ・メッシへの信頼、リスボンの悲劇からの自信回復等々、改革は簡単ではないが、確実に新しいバルサが芽生え始めている。
クラシコにおいても、バルサは最初の60分のプレーでいくつかのポジティブなディテールを残した。
1.より迫力とリズムのあるチーム
クーマンがバルセロナのベンチに着任してからフィジカルトレーニングが大幅に増えた。コーチングスタッフも若返り、選手とのコミュニケーションは以前と異なるレベルにある。これらの要因により、チームはよりダイナミックにボールを動かし、より速いテンポでボールを動かすようになった。メンタル的にも崩れることなく、即時奪還のハイプレスを掛けられるフィジカル能力も備わってきている。ただしかし、ゲームを通して監督の求める段階を維持できていないのも事実である。
2.クーマンの勇気：自分のポリシーを貫く
セルジ・ロベルトとアントワーヌ・グリーズマンのようなヘビー級の2人を外してクラシコに臨んだ。クーマンは当初から年齢や経歴でチームを作るのではなく、試合でのパフォーマンスでチームを作ると発していた。
レアル・マドリー戦では、クーマンがより保守的にベテランを優先すると予想されていたが、オランダ人は、より良い形でプレーしていた選手に賭けることを好んだ。これは、現スペイン代表監督ルイス・エンリケ・マルティネスと通じる哲学でもある。
3.若手選手へのアプローチ
クーマンの未来への賭けは非常に良く働いた。セルジーニョ・デスト(19歳)はラスト30分の集団的な崩壊まで非常に良いレベルを提供し、ペドリ(17歳)はこれまでのようには輝かなかったものの、それは彼の責任ではなく、右サイドのミッドフィールダーとして孤立したからである。これから経験を積んでいくことで、プレーバリエーションはいくらでも改善できる。
4.ジョルディ・アルバの復帰とサイドの最適解
確かにクーマンは攻撃力という点で右サイドと左サイドのバランスを取るための正解を見つけられていなかった。その意味でジョルディ・アルバの復帰は素晴らしいニュースだった。
メッシとのワンツーは、今でもチーム屈指の攻撃パターンであり、アルバの復帰はデストを本来の右サイドでのプレーを可能にし、両サイドのバランスを整えた。ボールプレーを基盤にするスタイルでは、両サイドが鍵になる。
5.アンス・ファティがビッグマッチで登場
未来のバルサはファティを中心に構築されなければならない。若きフォワード(17歳)は、日に日にその才能を証明しており、レアル・マドリーのような相手にも明らかになったように、強靭なメンタルとゴール前での冷静なフィニッシュは比類なき贈り物と言える。彼はサッカー界の未来だ。アンスがクラシコで負けたわけではない。大舞台では水を得た魚だ。今回はセンターフォワードとしてもポテンシャルを示した。
6.メッシのための最高のシステム  
レオは順調に進んでいる。彼はキャリアの中で最も非定型的で厳しいプレシーズンを経験した。来年6月30日に契約を終えるクラックは、人生のクラブのためにもう1年戦う。
少しずつメッシの状態は上がってきており、クーマンはアンスとコウチーニョを軸としたメッシのためのユニットを構築しようとしている。クーマンは自身のプロジェクトを形にする上でメッシが最も重要なファクターであることを知っている。