エストラーダの次戦相手にはロマゴン浮上 メキシコで23日(日本時間24日)に行われたボクシングのトリプル世界戦のメイン、WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチは、王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)が挑戦者で同級3位カルロス…

エストラーダの次戦相手にはロマゴン浮上

 メキシコで23日(日本時間24日)に行われたボクシングのトリプル世界戦のメイン、WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチは、王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)が挑戦者で同級3位カルロス・クアドラス(同)に11回TKO勝ち。ダウンの応酬の死闘は「年間最高試合の候補」との声も上がっているが、エストラーダの次戦には、この日タイトルを防衛したWBA同級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との再戦が浮上している。

 両者、死力を出し切った名勝負の結末は11ラウンドに訪れた。開始15秒、エストラーダの左が炸裂。クアドラスはロープ際に崩れ落ちたが、立ち上がり再びファイティングポーズ。粘りを見せると、再び両者はリング中央で激しい打ち合いを展開。だが優勢なのは王者だ。一気に仕留めようと、ラッシュをしかけ、相手を防戦一方に追い込んでいく。

 耐えるクアドラスだが、エストラーダは逃さない。今度は右が顔面を捉えると、挑戦者は前のめりに崩れ落ちる。ダメージの色は濃いが、再び立ち上がり構えをとるクアドラス。驚くほどの執念だ。最後はエストラーダがとどめの右をヒットさせたところでレフェリーが割って入り、試合をストップした。

 前半から激しく打ち上った両者。クアドラスも3回に先にダウンを奪っていた。最後はエストラーダの底力が上回った格好だが、屈指の名勝負にボクシングファンだけでなく、関係者からも称える声が上がっている。

スライマン会長興奮「クアドラスはメキシコのガッティだ!」

 WBCのマウリシオ・スライマン会長は「なんて信じられない試合だ! エストラーダは偉大なチャンピオンで、クアドラスはメキシコのアルツロ・ガッティだ! 2人の戦士をとても誇りに思う」とツイート。エストラーダを称えるとともに、クアドラスに対しても“殴り合い”を身上とし、数々の名勝負を演じたアルツロ・ガッティの名を上げて最敬礼している。

 また国際ボクシング名誉の殿堂入りを果たしている解説者アル・バーンスタイン氏も「フアン・エストラーダはボクシング界最高の左のダブルフックを持っているかもしれない。今夜、彼はそれをとても有効に使った。闘志とスキルが見られた本当に刺激的な試合だった。クアドラスは素晴らしいが、今夜はエストラーダが少しだけ上回った」と名勝負を制したエストラーダを称賛。さらに「エストラーダは次に再戦する可能性の高いチョコラティートを倒すと思う」と早くも次戦に思いをはせている。

 専門誌「リング」のライアン・ソンガリア記者はゴンサレスの結果に触れた上で「次戦はフアンフランシスコ・エストラーダとの再戦の可能性も?」とツイートし、両者の対戦の可能性を伝えている。

 両者は2012年にWBA世界ライトフライ級のタイトルを巡って対戦し、当時は王者だったゴンサレスが判定勝ち。8年越しの再戦が実現するなら、軽量級屈指の好カードとなる。(THE ANSWER編集部)