今日はカラッとした晴天。第1試合が長引いたこともあり、3回が終わる頃には日も西に傾きかけていた。早大は早川隆久主将(スポ4=千葉・木更津総合)、立大は中﨑響介(4年)とプロ注目投手同士の投げ合いで始まった早立1回戦。試合はトントン拍子で進…
今日はカラッとした晴天。第1試合が長引いたこともあり、3回が終わる頃には日も西に傾きかけていた。早大は早川隆久主将(スポ4=千葉・木更津総合)、立大は中﨑響介(4年)とプロ注目投手同士の投げ合いで始まった早立1回戦。試合はトントン拍子で進んでいった。そして迎えた5回。『西日』が試合の勝敗を分ける伏線となっていたとは、当時は知る由もなかった--。
早大は先発・早川が立大打線を圧倒。女房役の岩本久重(スポ3=大阪桐蔭)からすると「本来よりは調子が良くなかった」そうだが、低めにボールを集めてスコアボードにゼロを刻み続けた。一方、打線は相手先発の中﨑、4回からリリーフで登場した中川颯(4年)の両右腕に封じ込められ、ホームが遠い展開に。4回には2死から野村健太(スポ1=山梨学院)が右中間を割る二塁打を放つなどチャンスはつくるものの、あと1本が足りない場面が続いた。
そして両校無得点のまま迎えた5回裏。2死から金子銀佑(教4=東京・早実)が四球で出塁したが、2番・吉澤一翔副将(スポ4=大阪桐蔭)が打ち上げた打球はライトへの平凡なフライとなった。この回も無得点か--。神宮球場を包むため息は、きっとこのような思いから発せられたのだろう。しかし、そのため息は一瞬で悲鳴、そして歓声へと変わった。西日が重なり、ランニングキャッチを試みた右翼手の太田英毅(3年)がまさかの落球。このプレーで金子が一塁から一気にホームまで進み、思いがけないかたちで早大が先制点を手にした。
援護を受けた早川は7回、2死一、三塁とこの日最大のピンチを背負う。ここで迎えるのは8番打者・敷名丈弘(4年)。「とにかく厳しいコースに、甘く入らないように」(岩本)という共通認識の元で追い込むと、最後はスライダーでフィニッシュ。空振り三振に切ってとった。終わってみれば9回を投げて3安打無失点、12奪三振の好投。26日のプロ野球ドラフト会議を前にエースが貫禄の投球を披露した。これで早川は今季4勝負けなし、防御率は0.25と異次元の成績に。リーグ戦の通算成績も12勝12敗と、3年時には5あった負け越しがなくなった。
虎の子の1点を守り切り、勝ち点1を獲得した早大。第一試合で慶大が法大に勝利したこともあり、優勝の行方は早慶の2校に絞られた。いよいよ秋季リーグ戦も終盤に差し掛かってきたところだが、まずは目先の1勝だ。適時失策の1得点のみに終わった打線の奮起が鍵となるのは間違いない。明日の2回戦も全力で勝ちにいく。
(記事 山田流之介、写真 池田有輝)