3歳牡馬クラシックの最終戦となるGI菊花賞(京都・芝3000m)が10月25日に行なわれる。 今年の注目は何と言っても…
3歳牡馬クラシックの最終戦となるGI菊花賞(京都・芝3000m)が10月25日に行なわれる。
今年の注目は何と言っても、無敗の三冠達成を目指すコントレイル(牡3歳)。同馬が断然の1番人気になることは間違いないだろう。
過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は5勝、2着1回、3着2回、着外2回と安定した結果を残している。コントレイルにとっては追い風のデータと言え、先週のGI秋華賞で無敗の牝馬三冠馬となったデアリングタクト同様、コントレイルが快挙を成し遂げる可能性はかなり高そうだ。
そうなると、同馬に逆らうのは禁物だ。しかしながら、菊花賞では1番人気が馬券に絡んでも好配当になることがよくある。とりわけ2017年には、1番人気のキセキが勝利しながら、2着に10番人気のクリンチャー、3着に13番人気のポポカテペトルが入って、3連単の配当が55万9700円という高額となった。
その他の年も、7番人気以下の伏兵が馬券圏内(3着以内)に再三突っ込んできている。ならば、過去10年の結果を参考にして、コントレイルが絡んでもオイシイ配当が見込める「穴馬」を探し出してみたい。
まずチェックしたいのは2つの前哨戦、GIIセントライト記念(中山・芝2200m)とGII神戸新聞杯(阪神・芝2400。※今年は中京・芝2200m)で好走していながら、本番で上位人気にならない馬である。なぜなら、そうした馬たちが過去に何度も激走を果たしているからだ。
いい例となるのは、2010年に7番人気で勝ったビッグウィーク(神戸新聞杯3着)、2012年に5番人気で2着となったスカイディグニティ(セントライト記念2着)、2013年に5番人気で2着に入ったサトノノブレス(神戸新聞杯3着)、2014年に4番人気で2着に入線したサウンズオブアース(神戸新聞杯2着)、2015年に5番人気で優勝したキタサンブラック(セントライト記念1着)、2019年に8番人気で2着と好走したサトノルークス(セントライト記念2着)らである。
そうして、今年の出走馬を見渡してみると、これらと同じタイプと言えそうな馬を見つけることができた。

菊花賞での大駆けが期待されるガロアクリーク
ガロアクリーク(牡3歳)とロバートソンキー(牡3歳)である。
ガロアクリークは、前走のセントライト記念(9月21日)で3着と奮闘。春にはGIIスプリングS(3月22日/中山・芝1800m)を制し、GI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)でも3着と健闘している。
さらに、GI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)でも6着に入って実力の高さを示しているが、父がスプリント戦線で活躍してきたキンシャサノキセキ。おかげで、3000mという長丁場のレースとなるここでは、やや評価を落としている。
一方のロバートソンキーは、前走の神戸新聞杯(9月27日)で3着という結果を残しているが、14番人気での激走だった。加えて、1勝クラスの身ゆえ、その好走は完全にフロック視されている。一段とメンバーレベルが上がる大舞台では、さすがに上位人気は望めない。
だが、過去の例を踏まえれば、2頭とも侮れない。前哨戦の結果どおりに、本番でも上位争いに加わってもおかしくない。
続いて目がいくのは、前走で1000万下(現2勝クラス)を勝ち上がったばかりの馬だ。こうした馬たちも、過去に波乱を演出していることが多い。
2010年に13番人気で3着に入ったビートブラック、2013年に3番人気で3着となったバンデ、2014年に7番人気で3着入線を果たしたゴールドアクター、2017年に13番人気で3着に飛び込んできたポポカテペトル、2018年に10番人気で3着と好走したユーキャンスマイルらがそうだ。
このパターンに当てはまる馬は今年、3頭いる。アリストテレス(牡3歳)、ダノングロワール(牡3歳)、ディアマンミノル(牡3歳)だ。
3頭とも連勝で2勝クラスを突破。その勢いからしてどの馬も狙い目ではあるが、例に挙げた過去の馬たちの戦績を再度見てみると、どの馬も春の時点でオープン特別か、重賞レースへの出走経験があったことがわかった。
この条件を加えると、アリストテレスとディアマンミノルに絞られる。ここでは、この2頭を推したい。
アリストテレスは、休養明けの8月に1勝クラス、9月に2勝クラスと連勝して菊花賞へと駒を進めてきたが、そもそも春の時点で、オープンクラスで奮闘を重ねていた。若駒S(1月26日/京都・芝2000m)とすみれS(3月1日/阪神・芝2200m)では、ともに2着という結果を残している。
ディアマンミノルもまた、夏場の休養後、9月に1勝クラス、10月に2勝クラスを勝ってクラシック出走を果たした上がり馬。こちらも、春の時点でオープンクラスの若葉S(8着。3月21日/阪神・芝2000G)とGII青葉賞(11着。5月2日/東京・芝2400m)への出走歴がある。
いずれも賞金不足などにより、春のクラシックに出走できなかったが、クラシック最後の一戦で見事に出走権を手にした。このチャンスを生かして、同じタイプの過去の「穴馬」たちのように、思わぬ激走を見せる可能性は大いにある。
未知なる距離で争われる菊花賞。コントレイルの走りに誰もが注目しているだろうが、意外な伏兵の台頭にも期待したいところ。その大役を果たすのが、ここに挙げた4頭であっても不思議ではない。