12月にウーバーリとのWBC世界バンタム級タイトルマッチを予定 ボクシングの元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)は、12月12日にWBC世界バンタム級王者のノルディ・ウーバーリ(フランス)とのタイトルマッチを予定しているが、37…

12月にウーバーリとのWBC世界バンタム級タイトルマッチを予定

 ボクシングの元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)は、12月12日にWBC世界バンタム級王者のノルディ・ウーバーリ(フランス)とのタイトルマッチを予定しているが、37歳のレジェンドは2010年以来というスーパーフライ級転向の野望を示しているという。その理由について、米メディアが報じている。

 ドネアは昨年11月、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級大会決勝で、WBAスーパー&IBF同級王者の井上尚弥(大橋)と壮絶な死闘を展開。判定負けを喫したものの、無敵のモンスター相手に健在ぶりを示したドネアは米メディアに野望を語ったという。

 米専門メディア「ボクシングシーン.com」によると、ドネアは「私は115ポンド(スーパーフライ級)まで落としたいと未だに思っているんだ。そこでタイトルを取ってから、130ポンド(スーパーフェザー級)に上がる。可能だとも思う」と、ウーバーリ戦以降の展望について語っているという。

 WBSS参戦までフェザー級で戦っていたドネアだが、そこから3階級下のスーパーフライ級に減量し、更に4階級上のスーパーフェザー級初挑戦という驚愕のプランだ。なぜ2010年以来となるスーパーフライ級に再び挑戦したいのか。2つの理由があるという。

「イノウエと前回戦った時のウェートは117.5ポンドだった。実際は116しかなかったので、少しばかり多く水分を摂取したんだ。だから(スーパーフライ級の)体重を作ることに問題はない。5階級に自分の名前を刻みたいんだ。それができなかった唯一の理由は115ポンド(スーパーフライ級)では、誰もが私から逃げてしまったこと。だから、私はタイトルを手にできなかった」

スーパーフライ級には実力者多数「ローマンとは最高の試合になるだろうね」

 井上との頂上決戦ではバンタム級のリミットまで余裕があり過ぎて、計量前から水分で体重を維持していた事実を明らかにしたドネア。115ポンドが上限のスーパーフライ級復帰に、ウェート面で問題なしと主張している。

 そして、スーパーフライ級時代に獲得したWBA暫定王者の称号を、自らタイトルにカウントしていないことをドネアは認めた。強すぎる王者の宿命で、他のチャンピオンとの対戦が実現しなかった経緯を振り返り、スーパーフライ級で正規タイトルを獲得し、晴れて5階級制覇を名乗ることを熱望していた。

「それが実現したいことなんだ。そこで初めて、私は5階級制覇王者だと言える。そこから、130ポンド(スーパーフェザー)だ。妻は怪訝そうな顔で私を見ているけれど、それが私の目標なんだ」

 ローマン・ゴンザレス(ニカラグア)、井岡一翔(Ambition GYM)、ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)ら実力者が並ぶスーパーフライ級戦線だが、標的は末に存在する。

「ローマンとは最高の試合になるだろうね。素晴らしい選手もたくさんいる。彼らの試合を見てきたし、見ていくことになるけれど、素晴らしいよ。軽量級の連中は素晴らしいファイターだ」

 ウーバーリを倒し、ロマゴンらと戦う。5階級を改めて制覇した後に、未知なるスーパーフェザーに挑む。誇り高きレジェンドは、フィリピンの英雄マニー・パッキャオと並ぶ6階級制覇を目指し、壮大な青写真を描いていた。(THE ANSWER編集部)