オランダのユトレヒトでカメルーン代表、コートジボワール代表とフレンドリーマッチを行なった日本代表。森保一監督は、この2…

 オランダのユトレヒトでカメルーン代表、コートジボワール代表とフレンドリーマッチを行なった日本代表。森保一監督は、この2試合を戦うために欧州でプレーする選手だけでチームを編成し、計25人を招集した。

 残念ながら、岡崎慎司(ウエスカ)と長友佑都(マルセイユ)の2人はケガと体調不良により参加を辞退したが、それでも約2チーム分に相当する23人すべてを欧州組で賄えるようになったのだから、隔世の感を覚えずにはいられない。

 しかし周知のとおり、欧州にはもっと多くの日本人選手がプレーしていて、しかも今回招集されなかった欧州組の中には、これまで森保ジャパンで何度もプレーした主力級の選手もいる。

 そこで、再び11月に予定されている欧州での代表活動を見据え、招集有力候補と目される欧州組の現状を整理してみる。



代表には招集されなかったが、リーガ・エスパニョーラで好調の乾貴士(エイバル)

 まず、10月の招集メンバーに名を連ねてもまったく不思議ではないほど好調をキープしているのが、エイバルの乾貴士だ。

「乾だけではなく、できればもっと多くの選手を選考したいと思っています。そのなかで、ポジションのバランスなどを総合的に考えたうえで選手選考をしています」

 これは、森保監督の代表メンバー発表会見におけるコメントだ。その言葉から推測すると、おそらく現在の乾は招集に値するものの、今回は東京五輪選手の強化も踏まえて同じポジションの三好康児(アントワープ)を招集したのだと思われる。

 いずれにしても、今シーズンの乾は昨シーズンとは別人のようにピッチで躍動している。何より、プレーを楽しんでいるように見えるのが好調の証だ。

 今シーズンのラ・リーガはここまで5試合を消化しているが、乾は5試合すべてに先発出場。得点こそ決められずにいるが、左MFや左ウイングで上々のパフォーマンスを披露している。今シーズン初勝利を収めた第5節のバジャドリード戦では4-2-3-1の1トップ下でプレー。ホセ・ルイス・メンディリバル監督から新しい役割を与えられるなど、攻撃の中心選手として確固たる地位を築いている。

 今夏、エイバルにローン移籍した武藤嘉紀は、第3節アトレティック・ビルバオ戦の試合終盤にデビューを果たすと、続くエルチェ戦では2トップの一角として初先発。そしてバジャドリード戦では乾との縦関係を形成して、1トップとして2試合連続のスタメン出場を飾っている。

 そのバジャドリード戦は、味方選手が退場処分を受けた影響もあって後半76分にピッチを退いたが、持ち前のスピードは相変わらずで、プレー時間を重ねるごとにラ・リーガに順応しつつある。ゴール前への入り方も悪くなく、シュートが枠を捉えられるようになれば待望の移籍後初ゴールも遠くないだろう。

 岡崎の回復具合にもよるが、この調子で試合に出場し続ければ、11月は武藤が層の薄い1トップの候補として代表に招集される可能性は十分にある。

 移動制限など外的要因によって10月の招集がかなわなかったのが、ロシアのロストフに移籍した森保ジャパンの常連ボランチ橋本拳人だ。

 7月にFC東京からロシアに旅立った橋本は、開幕戦のタンボフ戦の終盤にデビューを果たすと、以降の2試合も連続途中出場。そして初スタメンを飾った第4節のウファ戦では4-2-3-1のダブルボランチの一角を担当し、79分に左からのクロスをヘッドで叩き込むと、これが決勝ゴールとなって勝利に貢献した。

 橋本は、続くウラル戦の後半48分から出場してコーナーキックから決勝ゴールを記録すると、第9節のアルセナル・トゥーラ戦では2ゴールをマーク。コーナーキックから決めた2点目は決勝ゴールになるなど、一躍主役の座を奪取し、元ロシア代表の名手ヴァレリー・カルピン監督の信頼を勝ち取っている(第11節には今シーズン5得点目を記録)。

 橋本が11月の代表ウィークに招集されるかどかは今後の感染状況次第ではあるが、森保ジャパンの重要戦力であることに変わりはなさそうだ。

 橋本と同様に、セルビアのパルチザンでプレーする浅野拓磨も、新型コロナウイルスの影響により10月の招集リストから外れた選手のひとりだ。

 加入2シーズン目を迎えた浅野は開幕からスタメンをキープすると、第2節ノヴィ・パザル戦からは4戦連続ゴールをマークするなど絶好調。特に5-0で大勝した第5節インジヤ戦ではハットトリックを記録し、8月だけで計6ゴールを挙げるなど現時点で得点ランキング2位タイにつけている。

 9月以降はゴールから遠ざかっているが、監督交代後もレギュラーの座を守っており、ほぼトップフォームに近い状態にある。現在の浅野は4-2-3-1の右ウイング、もしくは4-4-2の右MFが主戦場。このポジションは日本代表の激戦区だが、1トップでもプレーできることを考えれば代表招集の可能性も決して低くないはずだ。

 欧州組で心配なのは、ポルトの中島翔哉だ。本来なら代表の10番を背負って常時スタメンでプレーしているはずのタレントだが、ポルトに移籍してからは状況が暗転。これまで3節を終了しているポルトガルリーグで、いまだベンチ入りも果たせていない。

 加入2年目の中島が最後に試合に出場したのは、昨シーズン中断前に行なわれた今年3月7日のリオ・アベ戦にさかのぼる。中断明けは、個人的な理由でトレーニングに参加せず、結局そのままシーズンを終えることになってしまった。ただし、9月からはチーム練習に復帰するなど明るい兆しもある。

「長期間チームでプレーしていなかった。チームに合流してトレーニングをしている情報はもらっているが、まずは所属チームで結果を出して監督や選手の信頼を掴み取り、代表活動の選考に入ってくるように日常の活動を行なってほしい」

 森保監督はメンバー発表会見で中島を招集しなかった理由をこう説明している。その言葉どおり、まずは所属チームで活躍することが先決となる。

 その他、これまで森保ジャパンでプレーしていない欧州組では、ベルギーのシャルルロワで攻撃の中心となっている森岡亮太と、オーストリアのザルツブルクでプレーする奥川雅也も招集候補として挙げられる。

 森岡は、ザッケローニ時代、アギーレ時代、そしてハリルホジッチ時代に代表でプレーした経験があるが、まだ森保監督が就任してからは招集されたことがない。しかし、昨シーズンからはシャルルロワでレギュラーを勝ち取り、今シーズンも開幕から8戦連続スタメン出場。トップ下に君臨して、高いパフォーマンスを披露している。

 一方の奥川は、まだレギュラーの座を勝ち取ったわけではないが、11月のメキシコ戦がオーストリアで開催される予定のため、森保監督が招集する可能性も否定できない。しかもザルツブルクはチャンピオンズリーグに出場するため、奥川にとってはアピールのチャンス。大舞台で結果を残せるかどうかが、代表招集に影響しそうだ。