2017年に作られるトップリーグの下部リーグ、「トップチャレンジリーグ(仮称)」の参加権を争う今季地域リーグ3位グループの参入マッチが12月3日、埼玉・熊谷ラグビー場Bグラウンドで始まった。参入マッチ2位までがトップチャレンジリーグに参加…

 2017年に作られるトップリーグの下部リーグ、「トップチャレンジリーグ(仮称)」の参加権を争う今季地域リーグ3位グループの参入マッチが12月3日、埼玉・熊谷ラグビー場Bグラウンドで始まった。参入マッチ2位までがトップチャレンジリーグに参加する。

 トップイーストディビジョン1で3位の釜石シーウェイブスとトップキュウシュウA3位のマツダブルーズーマーズが対戦し、釜石が36-12(前半21-5)で快勝した。
 この試合、マツダは今春のアジアラグビーチャンピオンシップで韓国代表が初めて在日選手から招集した3人のうち、CTB/FB李修平(リ・スピョン/大阪・日新高-大体大-2012年度六甲クラブ/27歳)とLO南宗成(ナム・ジョンソン/大阪朝鮮高-明大/24歳)の2人がメンバー入り。
 今季、FBとCTB2つのポジションを担う李はFBで先発した。試合開始時は、マツダがFWのセットプレー(スクラム、ラインアウトからモール)で釜石を攻め、先制点を奪った。しかしその後は釜石がブレイクダウンで制圧し、逆転した。

 李は「入りはいけると思いました。釜石の外国人選手の個々の力強いプレーに負けた。きょうの自分はディフェンスシーンが多かった。攻撃もしないと」と振り返った。
 チームではBKリーダーを任されている。それだけにチームを引っ張り切れなかったことへの悔いが残る。チームへの意識の変化は春の韓国代表入りも大きな転機という。
「日本に帰ってきてラグビーの見方が広がった。チームの勝利に貢献したい」

 2年目の南はリザーブで20番を背負い、後半11分から左LOへ交代出場した。釜石の圧力をそれほど感じなかった。しかし「途中で入る以上、流れを変える仕事をしないといけない。それができなかった」と反省する。それまでに仲間は釜石の圧力で「疲れていた。自分も合わせてしまった」。

 韓国代表はやはりラグビー観を変えた。「チームの中で外国人選手と代表経験者として競争してポジションを取るため全力でプレーしています。日本に戻ると周囲が見えるようになった。代表では、自分のことで精いっぱいだったのに」と語る。

 2人とも、来季も韓国代表を見据える。李は「チャレンジしたい」。南は「代表の若い選手は、今年初めは、戦術理解などで苦しんでいた。そして成長を続けている。行きたいです」。

 トップチャレンジリーグ参入マッチの次戦は、18日に地元・広島でトップウェスト3位の大阪府警察と対戦する。11日にある釜石と大阪府警の試合で釜石が勝てば1位通過でトップチャレンジリーグ参加が決定。もしそうなれば、1敗のマツダと大阪府警戦は直接対決で勝者が2位を確保する大一番となる。11日に大阪府警が勝てば、3つどもえの争いとなる可能性もある。来季の韓国代表には、トップリーグ入りを目指す舞台への出場権を勝ち取って参加することが2人の仕事だ。(文:見明亨徳)