“クレーキング”の異名を持つラファエル・ナダル(スペイン)は、「全仏オープン」決勝でテニスの世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦。勝利したナダルは、男女通じて初の「全仏オープン」で1…

“クレーキング”の異名を持つラファエル・ナダル(スペイン)は、「全仏オープン」決勝でテニスの世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦。勝利したナダルは、男女通じて初の「全仏オープン」で100勝を挙げた選手となり、グランドスラムでの優勝回数も最多記録に並ぶ20勝とした。ナダルとジョコビッチのライバル関係が打ち立てた5つの記録を、伊ニュースサイトUBI Tennisがまとめた。【動画】全仏オープン男子シングルス表彰式ダイジェスト

決勝を前にジョコビッチは、「彼は間違いなく僕の最大のライバルだ。過去に数々の素晴らしい試合をしてきたことは、お互いに敬意を抱くと言う意味でもちろん影響を与えているよ。コートでベストを尽くす意欲を起こさせる。お互いに、勝つには最高の状態でなければならないと分かっているからね」と語った。

二人のライバル関係が始まったのは、実は「全仏オープン」でのこと。2006年、当時19歳のジョコビッチは初めてグランドスラム準々決勝に進出し、11ヶ月年上のナダルと対戦。6-4、6-4とナダル優勢で進んでいたところで、ジョコビッチは腰の怪我のために棄権した。この試合が、その後テニスの記録を次々と塗り替えていくことになる二人の最初の一戦となるとは、当時の二人は想像もしなかっただろう。

「ノバクと試合する時に分かっているのは、ベストを尽くさなければいけないということだけだ。そうでなければ、難しい状況に陥ってしまう」とナダル。

ジョコビッチとナダルのライバル関係がどれほどのものか、これまでに二人が作った5つの記録を見てみよう。

1.2020年の「全仏オープン」決勝は、ナダルとジョコビッチの56回目の対戦だった。これはテニスのオープン化以降の最多対戦記録で、他に50回以上対戦している選手はあと一組のみ。そのもう一組とはジョコビッチとロジャー・フェデラー(スイス)で、50回対戦している。

2.1969年以降の男子テニスの歴史の中で、ナダルとジョコビッチは最も多く「全仏オープン」で対戦している。今年の決勝は8回目の対戦で、ナダルの7勝1敗。これにより、ナダルはグランドスラムで世界ランキング1位の選手に最も多く勝利した選手となっている。ナダルは他のグランドスラムでもジョコビッチに2勝している。一方、これまでナダルを「全仏オープン」で破ったのはロビン・ソダーリング(スウェーデン)とジョコビッチの2人だけだ。

3.ナダルとジョコビッチがグランドスラムの決勝で戦ったのは今回で9回目。これは、2選手間のグランドスラム決勝対戦回数の最多記録に並ぶ。グランドスラム全体では16回対戦しており、初めて対戦したのは2006年の「全仏オープン」であった。

4.男子決勝で同じ二人の選手が3度目の対戦をするのは「全仏オープン」史上2回目。2012年と2014年の対戦では、いずれも4セットでナダルが勝利している。ナダルとフェデラーは「全仏オープン」決勝で4回対戦している。

5.ジョコビッチとナダルは、ツアーレベルの決勝で27回対戦しており、ジョコビッチの15勝12敗。これはオープン化以降の最多記録である。

<対戦成績>

●大会種別

グランドスラム:ナダル 10勝6敗

マスターズ・カップ/ATPファイナルズ:ジョコビッチ 3勝2敗

ATP1000大会:ジョコビッチ 16勝12敗

ATPインターナショナル・ゴールド/ATP 500大会:ジョコビッチ 2勝0敗

ATPインターナショナル/ATP 250大会:両者 1勝1敗

デビスカップ:ナダル 1勝0敗

ATPカップ:ジョコビッチ 1勝0敗

オリンピック:ナダル 1勝0敗

●サーフェス別

クレーコート:ナダル 18勝7敗

ハードコート:ジョコビッチ 20勝7敗

グラスコート:両者 2勝2敗

●総合

ジョコビッチ 29勝27敗

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」でのジョコビッチ(左)とナダル(右)

(Photo by Shaun Botterill/Getty Images)