“クレーキング”の異名を持つラファエル・ナダル(スペイン)は、「全仏オープン」決勝で現世界王者であるノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦。ファンは皆、手に汗を握って試合を見つめていたことだろ…

“クレーキング”の異名を持つラファエル・ナダル(スペイン)は、「全仏オープン」決勝で現世界王者であるノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦。ファンは皆、手に汗を握って試合を見つめていたことだろう。ナダルをテニス界で最も偉大な選手の一人に育て上げたその人も、そうだった。ウェブメディアEssentially Sportsが報じた。【動画】前人未踏の全仏OPV13を達成したナダルトニ・ナダル氏は、生徒たちやスタッフらと共に、ナダルの出身地であるマヨルカ島でナダルが主催するラファナダル・アカデミーで、甥がグランドスラム男子シングルス最多優勝記録タイとなる20個目のタイトルを獲得するのを見守った。長い間ナダルのコーチであったトニ氏は、ナダルがエースで優勝を決めるのを見て涙をこらえることができなかった。

ナダルがコート上でインタビューを受けている頃、トニ氏はナダルの優勝をどう思うか尋ねられた。皆と一緒に甥の優勝を祝いながら、トニ氏は質問に答えようとしたが、涙がこみあげて言葉にならなかった。

第1・第2セットは難なくナダルが奪ったが、第3セットは接戦だった。だがゲームカウント5-5でジョコビッチはプレッシャーに屈するかのようにダブルフォールトを犯し、ナダルがそのゲームをブレーク。

トニ氏は喜びで椅子から飛び上がり、こぶしを握ってガッツポーズ。それはトニ氏がナダルの試合に帯同していた頃、二人がコート上と客席で同時に見せていたポーズそのままだった。一緒に試合を見ていたアカデミーの生徒たちは口々に「バモス(行け)ラファ」と叫び、皆で優勝のかかった最終ゲームを見守った。

ナダルの今がある最大の理由の一つはトニ氏だ。トニ氏はナダルが幼い頃から指導し、そのキャリアのほとんどで彼に帯同していた。今ではトニ氏はナダルのコーチの仕事は引退し、アカデミーの仕事に力を注いでいる。ナダルはトニ氏の指導の下で、16回のグランドスラム優勝を遂げた。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2017年「ATP500バルセロナ」でのナダル(左)とトニ氏(右)

(Photo by Urbanandsport/NurPhoto via Getty Images)