「ダンクはバスケットボールの花形!!」Bリーグの『BOX SCORE』を見ると、海外のリーグでは見慣れない項目がある。JBL時代にもあった「DUNK」が復活。名作「スラムダンク」の第1話で、赤木春子さんが「ダンクはバスケットボールの花形!!…
「ダンクはバスケットボールの花形!!」
Bリーグの『BOX SCORE』を見ると、海外のリーグでは見慣れない項目がある。JBL時代にもあった「DUNK」が復活。名作「スラムダンク」の第1話で、赤木春子さんが「ダンクはバスケットボールの花形!!」と桜木花道に説明しているシーンでも描かれている通り、バスケにおけるエンターテインメントを求めるならば、ダンクは不可欠なのだ。
ダンクにはいくつかの相乗効果がある。簡単にそのメリットを考えてみよう。
・シュートが外れる可能性が低い
・ファンがエキサイトし、会場が盛り上がる
・チームの士気が上がる
・ダイジェスト映像素材として最適
・レイアップを落とすとため息がもれるが、ダンクは失敗しても笑いが起きる
3ポイントシュートと比べると、豪快なダンクでも2点にしかならない。しかし、バスケは流れのスポーツである。1本のダンクからチームが息を吹き返し、一気に形勢逆転する光景をこれまでもNBAや国際大会で目の当たりにしてきた。Bリーグ会場では、ウォームアップ中のダンクでさえ、観客を沸かしている。しかし、ゲーム中に決まったダンクの本数はたったの平均2.6本だった(11月27日終了時点。BOX SCOREに表記されていながらSTATS集計には反映されておらず、全試合結果を見て筆者が集計したため非公式)。
ウォームアップ中のダンクでさえ観客を魅了する
1本もダンクが出なかったのは16試合。逆に一番多かったのは、10月23日の千葉ジェッツvsレバンガ北海道戦の10本(うち9本が千葉)。ダンク本数の集計を始めた11月16日、ちょうどジョージ・ワシントン大学のネット中継が行われていた。いきなり渡邊雄太のダンクから始まったその試合では、両チーム合わせて5本のダンクが決まった。アメリカに渡った3年前、渡邊雄太がカルチャーショックを受けたのはダンクだった。アメリカ人たちは、練習中や遊びの中でもダンクに対する執着心は強く、フリーでダンクにいかなければコーチやチームメイトから咎められたそうだ。
大学日本一を決めるインカレ準決勝・筑波大学vs専修大学戦では、筑波大学の馬場雄大が一人で3本のダンクを成功させている。負けたら終わるトーナメント、日本一を決める真剣勝負がディフェンシブな戦いになりがちな中でも3本を決め、さらに決勝では2本と、Bリーグと遜色ない頻度でダンクが見られた。
NBAを見始めた子供の頃の記憶を振り返れば、興奮させられたのはやっぱりダンクだった(あとシューズ)。シューズは購入して手にすることができるが、地上305cmの位置にあるリングにボールを叩き込むことができる人は限られる。超人的なダンクに魅せられるのは、今も昔も変わりがなく、ウォームアップ中のダンクに子供たちが目を輝かせ、大人たちは自然と歓声を上げる。
日本においてバスケを見る入口の多くは、NBAや『スラムダンク』を筆頭にするマンガであり、ダンクが当たり前の世界だ。ダンクの欄の数字を増やすことが、Bリーグが掲げる「エンターテインメント性の追求」にもつながる。
提案! チーム対抗ダンク合戦
年明け1月15日に開催されるオールスターゲームでは、ダンクコンテストも行われる。ここで一つご提案を──。
個のレベルでは、昨年のNBAオールスターで繰り広げられたザック・ラビーンvsアーロン・ゴードンのダンクコンテストには絶対に適わない。40代、50代で「昔のダンクコンテストは良かった」と思い、最近は見ていないという方がいれば、YouTubeにもあるのでぜひ見ていただきたい。あの戦いが終わった瞬間、中学の頃に初めて見た1985年ダンクコンテストのマイケル・ジョーダンvsドミニク・ウィルキンズ戦が蘇った。
来日している外国籍選手でさえ個のレベルではNBAには遠く及ばない。それを補うべく、2on2や3on3のチーム対抗ダンク合戦にしてみてはいかがだろうか?
例えば、集計時点で25本を決めた新潟アルビレックスBBのクリント・チャップマンがトップダンカーである。チームメートの五十嵐圭とコンビを組み、様々なアリウープを見せるとか……。24本を決め、2位のジャスティン・バーレルの名古屋ダイヤモンドドルフィンズには、日本人ダンカー中東泰斗がいる。この2人による『ダンクの競演』で興奮を倍増させるとか……。昨年のbjリーグオールスターで『進撃のダンク』を決めた太田敦也。三遠ネオフェニックスに加入したジョシュ・チルドレスとともにお揃いの全身タイツ&アフロで登場すれば、それだけでインパクトあるとか……。
チーム対抗ダンク合戦戦にすることで、NBAにはないクリエイティブなダンクが生まれることに期待したい。そんなことをフリースタイルダンジョン(テレビ朝日)を見ながら思っていたわけで……。もっともっとダンクを見せて、新しいファンを呼び込もう!