阪神藤浪晋太郎投手(26)が自己最速記録を更新した。13日中日戦(ナゴヤドーム)で7回裏に登板し、アルモンテへの4球目…
阪神藤浪晋太郎投手(26)が自己最速記録を更新した。13日中日戦(ナゴヤドーム)で7回裏に登板し、アルモンテへの4球目に161キロをマークした。
「球速を楽しんでいる余裕は正直ないですが、スピードも出ないよりは出た方がいい。そこを目指すわけではないですが、良かったのかなと思います」。自己記録を1キロ更新。ドリス、スアレスが計測した球団最速記録にも肩を並べた。
卓越した技術を持つプロの投手でも、スピードボールを投げる能力は、誰にもできることではない。コントロールやけん制、フィールディング、打者との駆け引きなどは鍛えることができても、速い球を投げることは限られた一部にしかできない特殊な才能。(過去最速記録は16年に日本ハム大谷翔平が計測した165キロ)。球速の魅力には誰もがあこがれ、敵味方関係なくファンを驚かせ、喜ばせる。
低迷が続く藤浪だが、中継ぎ転向が吉と出ている。3連投だったが、150キロ後半~160キロ台の直球でどんどん押し込んで3者凡退。4試合連続無失点と躍動している。リリーフでも比較的プレッシャーの少ない場面で登板することで、本来の球威と自信を取り戻しつつある。
3月に新型コロナウイルスに感染し、どん底から始まったシーズン。開幕後も先発で結果を出せず、1、2軍を行き来した。課題の制球難を克服できず、球界ではトレード話も浮上。今年もダメか…そんな矢先、球団内でのコロナ集団感染の影響で、9月25日に緊急昇格して、復調のきざしを見せている。コロナに泣かされたが、チャンスをつかんだのもまたコロナだった。
ネット検索で「藤浪 161」と入力すると、意外なことに、球速とはまったく違う検索結果も出てくる。「藤浪161球事件」「藤浪懲罰161球」といった具合だ。2016年7月8日の広島戦(甲子園)で、先発した藤浪がプロ最多の球数が、くしくも今回の球速と同じ「161」だった。
藤浪にとっては、思い出したくない過去かもしれない。初回先頭打者への四球から3失点。怒った当時の金本監督が「今日は何点取られようが、何球投げようが、最後まで投げさせるつもりだった。責任は感じてほしい」と続投を命じ、8回8失点、球数はプロ最多の161球に達した。采配への批判が殺到し、ネットでは「161球事件」「懲罰161球」などと呼ばれるようになった。
偶然にも共通した「161」の数字。黒歴史を払拭(ふっしょく)するためにも、藤浪には今回の球速をさらに上回る活躍に期待したい。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]