「全仏オープン」男子シングルスで、13度目の優勝を飾ったラファエル・ナダル(スペイン)。優勝翌日の現地12日にATP(男子プロテニス協会)のインタビューに応じ、あらためて偉業達成の心境や、大会…

「全仏オープン」男子シングルスで、13度目の優勝を飾ったラファエル・ナダル(スペイン)。優勝翌日の現地12日にATP(男子プロテニス協会)のインタビューに応じ、あらためて偉業達成の心境や、大会期間中の過ごし方といった裏側も明かした。【関連記事】フェデラーがナダルにメッセージ。GS20勝は「僕らにとってこれからも続く旅の一歩に過ぎない」

今年は新型コロナウイルスの影響で、秋に開催された「全仏オープン」。気温の寒さに加え使用ボールの変更もあり、例年とはコンディションの異なる大会だった。

今回は悪条件だったかと聞かれたナダルは「毎日一歩一歩前進し、コンディションを考えれば大会を通してとても良いプレーをしたよ」と回答。続けて、今年は優勝できないかもしれないと思ったかという質問には「パリに来るたびに、優勝するだろうとは思っていない」「勝つことは当たり前ではないし、そのことを常に意識している」と答えた。

決勝では世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対し、6-0、6-2、7-5で圧勝したナダル。事前に立てた試合プランを聞かれると、2019年「ATP1000 ローマ」決勝で勝利した時のことを挙げ「あそこでは非常に調子が悪かったが、とてもうまくプレーができた。それを参考にしたんだ」と話した。

一方、2週間にわたりコーチやトレーナーとバブル(新型コロナウイルス感染防止のために参加者たちに限定された行動範囲)の中で生活したことについては「彼ら(コーチ、トレーナー)よりも僕の方が大変だったと思うよ。僕は人と一緒にいる方が好きな人間だからね」と明かす。

「彼らは常に1人でやっていける力を持っている。僕にとってはちょっと難しいかな」

そんな一面を明かしたナダルは、大会中の過ごし方について次のように話した。

「1日が長く感じるようにも思えたが、忘れていたものを再発見したよ。3年ぶりにプレイステーションのコントローラーを持ったし、僕たちはたくさんプレーしたんだ。あとは時間をつぶすために、最新のニュースを全部読んだりしていたね」

これまでとは異なる大会期間中の生活も経験し、その上で獲得した同大会13度目のタイトル。その反響について本人は「ほとんど何も見る時間がなかったので、どんな感じになっているのか分からない」のだという。

それでも「世界で最も重要な大会の1つで13回も優勝し、(ロジャー・)フェデラーの20回に並んだ。大きなことを成し遂げたことはハッキリしている」「不可能なようにも思われた記録に、なんとか並ぶことができたんだ」と話した。

また、20回のグランドスラム優勝を果たし、あとは何を勝ち取るかと聞かれるとナダルは「日々を楽しみ続けること。結局、自分は幸せ者だ。人生はこれまで僕に微笑みかけてくれた。あと何を勝てばいいのかは分からないが、ワクワクするのは前に進み続けることだ」と答えた。

そして今、地元マヨルカに戻ったら「少し普通の生活に戻りたい」という。

「家に帰って、解放感を得たい。ゴルフをしたり、アカデミーを訪問したり。この20日間よりも少し普通の生活をして、この間に会えなかった人たちに会いたいね」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」でのナダル

(Photo by Aurelien Meunier/Getty Images)