J1リーグにおける「黄金世代の最後の砦」となってしまうのか......。 遠藤保仁がJ2のジュビロ磐田へ、来年1月31…

 J1リーグにおける「黄金世代の最後の砦」となってしまうのか......。

 遠藤保仁がJ2のジュビロ磐田へ、来年1月31日までの期限付きで移籍した。ガンバ大阪で20年目となった今シーズンは、7月にJ1リーグ最多出場記録を更新。その後も出場を重ねてJ1通算641試合出場(103得点)まで記録を伸ばしたが、J1リーグ戦11試合出場ながらも先発出場はわずか3試合にとどまっていた。



出場機会を求めて磐田に移籍した遠藤保仁

 新天地の磐田は今季J2で13位と苦しみ、来季の1部昇格には土俵際に追い込まれている。しかし、遠藤は「連勝すれば一気に上に行く可能性がある」と意気込む。

 遠藤にとって2013年以来2度目となるJ2の舞台で、楽しみなのが小野伸二(J1通算201試合29得点)との黄金世代対決だ。

 黄金世代とは1979−1980年生まれの世代で、1999年にナイジェリアで開催されたワールドユース(現U−20ワールドカップ)で準優勝。その後もこの世代の選手たちが2000年シドニー五輪、2002年と2006年のワールドカップなどで日本代表の中心となり、日本サッカー界の新次元を切り開いてきた。

 1999年ワールドユースで大会ベストイレブンに選出された小野は、昨季途中にJ1の北海道コンサドーレ札幌からJ2のFC琉球に移籍。今季は初先発した7月25日の愛媛FC戦の前半2分で右ひざ側副じん帯を負傷して戦線離脱したものの、現在は戦列に復帰。11月25日の第36節・磐田戦では、2018年8月15日以来となる対決が実現するかもしれない。

 その小野と同じく、1999年ワールドユースで大会ベストイレブンに選ばれたのが本山雅志だ。黄金世代の背番号10は、2015年まで所属した鹿島アントラーズでJ1通算365試合に出場(38得点)。2016年からギラヴァンツ北九州でJ2やJ3でプレーし、今季は所属なしとなったが、来季の現役続行に意欲を見せている。

 黄金世代のチーム立ち上げ時から、小野とともに主力を張っていたのが高原直泰だ。2002年にJリーグMVP&得点王をダブル受賞し、アルゼンチンやドイツなど海外リーグでも活躍したが、J1では清水エスパルスに所属した2012年が最後で、J1通算は214試合78得点。

 現在は2016年から自身の立ち上げた沖縄SVでプレーし、沖縄県3部、同1部を経て、今季から九州サッカーリーグを戦う。新型コロナ禍で中止になる試合も多いなか、リーグ戦3試合にスタメン出場して5得点と気を吐いている。

 高原と1999年ワールドユースで2トップを組み、準決勝のウルグアイ戦で決勝ゴールを決めた永井雄一郎も、まだ現役だ。浦和レッズからカールスルーエを経て、2009年から3シーズンは清水でプレーし、J1通算289試合で52得点をあげた。2012年からはJ2の横浜FCやザスパクサツ群馬などを経て、今年はJ1から数えて8部相当の神奈川2部のはやぶさイレブンでプレーを続けている。

 黄金世代で最初にJリーグデビューを飾った稲本潤一は、昨シーズンからJ3のSC相模原に所属している。1997年に当時最年少記録となる17歳6カ月でJリーグ初出場してから、札幌での2018年までJ1通算225試合19得点。今季は第13節のカマタマーレ讃岐戦でスタメン出場したものの、プレータイムは45分間にとどまっている。

 ほかの1999年ワールドユースメンバーを見てみると、小笠原満男(J1通算525試合69得点)、中田浩二(J1通算266試合33得点)、手島和希(J1通算129試合2得点)、辻本茂輝(J1通算34試合1得点)、石川竜也(J1通算161試合4得点)、加地亮(J1通算300試合3得点)、酒井友之(J1通算213試合11得点)、高田保則(J1通算33試合3得点)、播戸竜二(J1通算325試合87得点)、氏家英行(J1通算9試合1得点)などはすでに現役を退き、現在多くは後進の指導にあたっている。

 一方、1999年ワールドユースのメンバー選外ながらも、現役生活を続ける黄金世代もいる。

 G大阪時代には遠藤とともにリーグ優勝やACLタイトルの獲得した橋本英郎(J1通算339試合19得点)は、昨季からFC今治でプレーして2年ぶりにJリーグに復帰。J3を戦う今季は第20節までに14試合に出場(先発11試合)と、豊富な経験値を新興チームに還元している。

 遠藤のJ2移籍により、黄金世代でJ1所属のフィールドプレーヤーはゼロになった。だが、ふたりのGKはいぶし銀の働きを見せている。

1999年ワールドユースでは榎本達也(J1通算223試合/2016年末引退)に背番号1を譲ったものの、本大会の守護神をつとめた背番号18の南雄太(昨季までJ1通算246試合)は、2014年から所属する横浜FCとともに11年ぶりにJ1に復帰。今季は第20節までのうち10試合に先発出場している。

 1999年ワールドユースは"19番目"のバックアップメンバーとして戦い、翌年のシドニー五輪も遠藤保仁らと予備登録だった曽ヶ端準(昨季までJ1通算532試合)は、今年で鹿島在籍23年目。今季は自身の誕生日前日に行なわれた大分トリニータ戦に出場した。成長著しい21歳の沖悠哉、韓国代表のクォン・スンテのバックアッパーながら、負けじとベテランの意地を見せている。

 黄金世代も40歳の大台を越えて、寄る年波に抗えなくなりつつある。だが、Jリーグ最高峰のJ1では彼らよりも年長の53歳・三浦知良や42歳・中村俊輔が存在感を放っている。

 日本サッカー史に燦然と輝くタレントたちが揃った黄金世代が、このままJ1リーグの舞台から消えていっては寂しいかぎり。もうひと花も、ふた花も咲かせてくれることを期待したい。