9日、国際親善試合で日本代表はカメルーン代表と対戦する。 2020年2月に発生し、今なお世界中で猛威を振るい続けている新…

9日、国際親善試合で日本代表はカメルーン代表と対戦する。

2020年2月に発生し、今なお世界中で猛威を振るい続けている新型コロナウイルス(COVID-19)。ご存知の通り、世界各国で多大なる被害を出し、日本でも収束傾向が見られていないのが現状だ。

当然サッカー界にも大きな影響を及ぼし、各国リーグが中断。6月以降、無観客など多くの制限を設けながら世界中でサッカー活動が復活。そして、今回日本代表も遂に活動が実現した。

日本代表としては2019年12月のEAFF E-1サッカー選手権以来、10カ月ぶりの活動に。しかし、今回はオランダでの開催となり、オール欧州組で編成されており、E-1サッカー選手権はJリーグ組のみで臨んだため、欧州組は11月以来の活動となった。

◆ベースを確認、そして結果を

約1年ぶりの招集となる日本代表だが、1年も期間が空けば各選手が置かれている状況も大きく異なる。新たにJリーグから海外移籍を果たして挑戦している選手、ヨーロッパ内で移籍を果たしている選手、そしてチームにおける立ち位置が変わった選手など様々だ。

もちろん、良いステップを踏めている選手ばかりではなく、難しい状況に立たされている選手もいる。しかし、その中でも日本代表として招集されたからには、この1年間の成果を披露しなくてはいけない。

森保一監督はカメルーン戦に向けた前日会見で「海外に渡ってから月日が経って、変化を見させてもらう中で、選手たちの自信がすごく伝わってくるというか、強さとかたくましさが増した」と印象を語り、それぞれがしっかりと代表で表現していこうという姿勢を感じたと語っていた。

一方で、代表メンバー招集会見でも森保監督が口にしていたのは結果、そしてコンセプトの確認だ。「我々は戦う集団ですので、勝利を目指して戦い、勝つことで応援してくださる全ての方々に喜んでいただく」と結果を求めながらも、「基本的なコンセプトの確認、意思統一をやっていければと思います」とし、1年ぶりの確認に加え、この先に向けたレベルアップをはかることが目的となる。

また今回の代表活動に際して森保監督が強調したのは「感謝」と「恩返し」。この姿勢は選手たちにも浸透しており、「勝利と戦うという部分、チーム一丸となって戦うということを伝えたいという思いは練習から感じられています」と語っていた。久々の代表戦を観ることになるファンに、しっかりとした闘いぶりを見せてもらいたい。

◆入国後に感染者、少数精鋭のカメルーン代表

対するカメルーン代表も、昨年11月以来の代表活動に。このあとはアフリカ・ネーションズカップの予選が控えており、チーム強化として日本戦に臨んでくる。

しかし、今回のカメルーン代表は諸事情で招集できない選手がいたことに加え、クラブでのケガで招集できなかった選手もおり、完璧なメンバーではない。さらに、オランダ到着後、試合に向けたPCR検査で2選手が陽性反応を示し、さらに1名の選手が濃厚接触者として認められたため、3名がチームから離れて帰国。日本戦は18名で臨むこととなった。

昨年9月に就任し、3試合しか指揮を執れていないトニ・コンセイソン監督。前日会見では「我々にとってはアフリカ・ネーションズカップへの準備という位置付けになる」とコメント。その中で日本代表と戦うことに関しては「スピードがありトランジションが早いチームなので、我々がまさに求めていた相手」と、チームの強化のための絶好の相手だと感じているようだ。

しかし、ベストメンバーを組めていないのも事実。コンセイソン監督は「人数が限られた中での試合となるが、特に若手の選手に出場機会を与えたいと思っている」とコメント。「非常に有意義な準備のための試合になる」と、この先のチーム強化への一歩とするつもりだと明かした。

どの選手が感染して離脱してしまったのかは不明だが、リヨンで活躍するFWカール・トコ・エカンビやアヤックスの正守護神であるGKアンドレ・オナナらは招集。パリ・サンジェルマン(PSG)からバイエルンへ移籍したFWエリック・マキシム・チュポ=モティングなど一部選手を欠いているが、ヨーロッパでプレーしている選手も多く、レベルの高い試合が期待できそうだ。

◆予想スターティングメンバー[4-2-3-1]

GK:権田修一

DF:酒井宏樹、冨安健洋、吉田麻也、安西幸輝

MF:柴崎岳、遠藤航

MF:堂安律、南野拓実、原口元気

FW:大迫勇也

監督:森保一

1年ぶりの試合となる日本の予想スタメンだが、森保監督は“いつも通り”のメンバーを選んでくると予想する。確認の意味も込め、これまでのレギュラー組11名がピッチに立つだろう。

GKは権田修一(ポルティモネンセ)と予想する。クラブでは苦しい立場にあるが、今回招集された川島永嗣(ストラスブール)、シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)ともに現在はクラブで控えの立ち位置だ。W杯予選でも権田が正守護神を務めており、今回もそのまま起用すると見る。

最終ラインもお馴染みのの顔ぶれ。右から酒井宏樹(マルセイユ)、冨安健洋(ボローニャ)、吉田麻也(サンプドリア)と並ぶだろう。1点変更があるのは、左サイドバック。DF長友佑都(マルセイユ)がコンディション不良のために辞退したことで、安西幸輝(ポルティモネンセ)にチャンスが回ってきた。本人もこのチャンスを生かすことに意欲を示しており、ポジション奪取まで考えさせるパフォーマンスを見せられるかに注目だ。

ボランチも柴崎岳(レガネス)と遠藤航(シュツットガルト)のコンビになるだろう。柴崎は新天地に、遠藤は初のブンデスリーガと今シーズンは新しい環境でプレーしているが、パフォーマンスは悪くない。しっかりと代表でも高いパフォーマンスを見せてもらいたい。

2列目もいつも通りのメンバー。右から堂安律(アルミニア・ビーレフェルト)、南野拓実(リバプール)、原口元気(ハノーファー)と並ぶだろう。久保建英(ビジャレアル)や伊東純也(ヘンク)、鎌田大地(フランクフルト)など駒は多く揃っているだけに、まずはいつもの3人でどんなパフォーマンスを見せるか。そして途中から起用されるであろう選手による変化も注目だ。

そして1トップは大迫勇也(ブレーメン)だ。クラブと協会でコンセンサスとを取った結果、カメルーン戦のみでドイツへ戻ることが決まっている大迫。この試合でフルに起用して、感触を試すことは間違いない。今回はストライカーとして招集されているのは、FW岡崎慎司(ウエスカ)が不参加となったため大迫と鈴木武蔵(ベールスホット)のみ。2人で1試合ずつということになりそうだ。

◆「感謝」と「恩返し」をピッチで示せるか

世界的に厳しい状況に置かれているコロナ禍の中で行える日本代表活動。日本にとっては、団体競技として初めて海外で活動することにもなり、来年の東京オリンピックを含めて、このコロナ禍でのスポーツのあり方に大きな影響を与える。

当然のことながら、2022年のカタール・ワールドカップに向けた強化、来年3月に行われる予定の予選に向けた強化が重要であり、コンディションの良いアフリカのチームと戦える貴重なチャンスだけに、しっかりと確認すること、現在地を図ること、そして結果を出すことにこだわるべきだ。

しかし、それと同じレベルで今回の試合には大きな意義もある。

「試合の中で新型コロナウイルスの影響で困難な生活を送られている方々、日本で頻発している自然災害等々で困難な生活をしている大変な方々も多いと思いますので、我々の戦いを通して支援、応援してくだささる皆様に励ましのエールを届けられればと思います」

森保監督が口にし、選手たちも口にする「感謝」と「恩返し」に繋がる試合を是非とも見せてもらいたい。約1年ぶりの日本代表の試合、カメルーン代表戦は、9日(金)21時00分にキックオフを迎える。