フランス人FWジャン=ケビン・オギュスタン(23)の新天地が母国のナントに決定した。ナントは6日、オギュスタンが2022年6月30日までの2年契約で加入したことを発表した。 なお、ドイツ『RBlive』が伝えるところによれば、RBライプツ…

フランス人FWジャン=ケビン・オギュスタン(23)の新天地が母国のナントに決定した。ナントは6日、オギュスタンが2022年6月30日までの2年契約で加入したことを発表した。

なお、ドイツ『RBlive』が伝えるところによれば、RBライプツィヒとオギュスタンの間で結ばれていた2022年までの契約は現時点で無効扱いとなっており、ナントにはフリートランスファーでの加入になるという。

ただ、今回の移籍に関しては、今後国際サッカー連盟(FIFA)の介入を含めて法廷闘争に持ち込まれる可能性が高まっている。

オギュスタンは今年1月にライプツィヒから当時、チャンピオンシップ(イングランド2部)に所属していたリーズにレンタル移籍で加入。その際、同クラブがプレミアリーグに昇格した場合、2100万ユーロ(約26億1000万円)の金額で買い取る条項を盛り込んでいたという。

しかし、世界屈指の戦術家として知られるマルセロ・ビエルサ監督の求める水準に達していなかったオギュスタンは、リーグ戦の出場がわずか3試合に留まり、コロナ禍により約3カ月のリーグ中断があった中、レンタル契約終了に伴い、シーズンが終了していない6月30日付けで、リーズを去ることになった。

その後、リーズはチャンピオンシップ優勝を果たし、17年ぶりのプレミアリーグ昇格を決定。これが今回の契約問題の引き金となった。

すでにオギュスタンを構想外としているライプツィヒは、リーズへのレンタル移籍の際の契約が有効だと主張し、前述の金額で買い取るように要求。一方、リーズはオギュスタンがコロナ禍で認められた特例の短期レンタル契約延長にサインしていないため、あくまで6月30日付けで契約は終了しており、前述の契約条項は無効だと主張。両者の主張が真っ向から対立していた。

そして、ライプツィヒのスポーツ・コマーシャル・ディレクターを務めるフローリアン・ショルツ氏は、『RBlive』の取材に対して、「ジャン=ケビン・オギュスタンは、リーズ・ユナイテッドの昇格後、RBライプツィヒのプレーヤーではなくなった。我々の法的見解は変わっていない。リーズに対して法的措置を取り、FIFAを巻き込んでいく」と、主張している。

そのため、今後の法廷闘争の行方次第では、ナントに対してライプツィヒあるいはリーズが改めて移籍金を要求する可能性もあり、ナントがその支払いに応じない場合、よりカオスな状況になるかもしれない。

パリ・サンジェルマンの下部組織育ちのオギュスタンは、アンダー年代のフランス代表での活躍により、10代後半から将来を嘱望されたスピードとテクニックに長けた左利きのストライカー。

2017年夏に加入したライプツィヒでは加入初年度にブンデスリーガ25試合9ゴールを挙げる活躍により、更なる飛躍を予感させた。だが、以降は戦術理解の乏しさなど粗さが目立ち、ユリアン・ナーゲルスマン監督が新指揮官に就任した昨シーズンは前半戦をモナコ、後半戦をリーズ・ユナイテッドとレンタル先で過ごしていた。