現地5日の「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)大会9日目を終えた。松岡修造さんのオフィシャル・インタビューは下記の通り。【トーナメント表】全仏OP男子シン…

現地5日の「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)大会9日目を終えた。松岡修造さんのオフィシャル・インタビューは下記の通り。【トーナメント表】全仏OP男子シングルス【トーナメント表】全仏OP女子シングルス

今回の全仏は秋開催となり、例年とコンディションが違うなかでの開催です。どのような印象ですか。

秋に行われる全仏は初めてで、僕から見ると不思議ですね。コロナウイルスの影響という部分も大きいですが、コンディション的な部分では、寒さとか、選手から見るとマイナス要素がたくさんあるんですよ。いつもと違う、ということの影響があるんです。ただ、いつもと違うなかでも、開催できている良さがあります。普通であれば、ウィンブルドンと同じように(開催を)諦めるという選択肢もあったはずなんですよ。でも、そのなかでどうにかして全仏は開催したいという、ひとつの文化を止めちゃいけないと決めた、フランステニス協会の思いをすごく感じました。

男子の勝ち上がりについて、どのようにご覧になりますか。

今のところはナダルが強いです。強いんですけど、やはりベスト8以上になってくると更に相手が強くなってきます。この状態でナダルがどういうテニスをするのかなというのは気になります。気候も含めいつもと違う環境で、守ったり、そういうテニスになったときには非常に危険な気がするんですよ。こういうコンディションのなかでも、“攻撃的なナダル”が必要なんです。だからこそ、ナダルとしては、ネットプレーを多くしたり、という試みをしているんだと思いますね。

ナダルの対抗馬になるとしたら。

2018、2019年と決勝で対戦し、直前の全米で初のグランドスラム制覇を果たしたティームです!と言いたいのですが、今年は順当に勝ち上がると準決勝での対戦となります。ティームとしては決勝でナダルに勝利したいという思いは強かったはず。ただ、準決勝でナダルに勝利しなければ、いずれにせよ優勝はできませんから、決勝のつもりで挑んでくるでしょう。グランドスラム初制覇で勢いのあるティームにナダルがどう戦うか、楽しみですね。

今大会は若手の選手の勝ち上がりが目立ちますが。

将来BIG4と同じようにトップに行くだろうな、という選手が多いとみています。ナダルと対戦したコルダもそうですし、まだ20歳と若いですが、大きな可能性を感じます。可能性というのは何を見ているかというと、テニスの内容なんです。彼が持っているテニスの可能性が素晴らしい。そこがおもしろいところですね。例えば、ものすごいガッツがあって、勝つ選手がいます。ただ、将来的に本当のトップに行けるテニスですか?という部分に疑問を感じる選手もいるんですよ。そうではない、本当のテニスの可能性を感じる若手の選手が多いですね。それは魅力のひとつでしょうね。

女子の勝ち上がりについてはいかがですか。

女子の方は、アップダウンがあるのはしょうがない気がしますね。寒いですし、ボールが飛んでいかないですし…。色々な意味でコンディションを保つのが大変なんだろうなという気がします。ただ、女子の場合には混戦で、時代の流れも変わってきているというところもありますから、誰にでもチャンスがあると思ってプレーしていると思います。

さらに今大会は、クレーコーター、クレーが得意な選手が勝ち上がっていないということもあって、どの選手もチャンスがあると感じているんでしょう。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」で解説をする松岡修造さん

(Photo by WOWOW)