今シーズンはまだ1軍出場を果たせていない愛斗だが、ファームでの存在感は増すばかりだ。直近7試合では4番に座り、3本の本塁…

今シーズンはまだ1軍出場を果たせていない愛斗だが、ファームでの存在感は増すばかりだ。直近7試合では4番に座り、3本の本塁打を放つなど、状態の良さを感じさせる。
「一番大事な時期に怪我をして出遅れた分、焦りはありました」と当時を振り返りながらも「ここで諦めてしまったら昨年と一緒だ」と自らを奮い立たせ、リハビリに取り組んだ。

好調な理由は、昨年のオフに決めた「周りに流されない」というスタイルを貫いていること。
今年、愛斗にとって試練が訪れたのは、7月の公式戦。右翼を守っていた愛斗はフェンス際の打球をダイレクトキャッチしようと試み、フェンスに激突。そこで右足首を捻挫し、リハビリ生活を余儀なくされた。その間、高木渉や西川愛也など共に汗を流していた若手外野手たちが次々と一軍に昇格。今季、その舞台に立っていない外野手は愛斗だけになってしまった。
それでも「辛い想いをしない人なんていない」と折れそうな心を、〝周りに流されない〟強い気持ちでつないできた。今ではボールを呼び込むように堂々と打席に立ち、白球を豪快にスタンドまで持っていく背番号53の姿が頼もしい。

@埼玉西武ライオンズ提供

どんな状況でも真摯に取り組む愛斗だからこそ、リハビリ期間中は思わぬ副産物と出会った。もともと毎日の〝スイング量〟で筋肉を鍛えていくスタイルの愛斗だが、怪我をし、バットを振れない時期に強く意識したのが、食生活。球団の管理栄養士とも相談をしてリハビリ期間中の食生活を考えたところ、その期間中も体重を落とすことなく、筋肉量も増えたという。
高校時代は食が細かった愛斗だが、プロ入りを意識して食生活を改善。「体重が増えるごとにパフォーマンスが上がることに驚きました」と当時を振り返ったが、飽くなき向上心が、リハビリ期間中の〝進化〟を手伝った。

昨年は一軍の舞台で決勝適時打を放つなど、スポットライトを浴びた愛斗。
そんな経験をしたからこそ、「1軍選手と2軍選手の差は“メンタル”だと思います。出てくる言葉が違う」とその違いを口にした。辛い時も焦る時も、逃げずに今の自分と向き合うことができるようになった。これは愛斗にとって大きな成長だろう。
「なんでも挑戦、試さないと」というのは愛斗の口癖。自分を曲げずに向上心を持ってチャレンジしていく若獅子の成長曲線は、きっと限りなく鋭いものだ。

@埼玉西武ライオンズ提供

「僕は自分を追い込むことができると思います」。愛斗は自信を持ってそう言った。
視線の先は、まだ今季、一軍の選手として足を踏み入れていないメットライフドーム。
​その鋭い眼光は、一軍の舞台でも大暴れする愛斗の姿を鮮明に想像させるものだった。