新型コロナウイルスの影響で全60試合に短縮されたメジャーリーグも、現地時間9月27日をもってレギュラーシーズンが終わり…
新型コロナウイルスの影響で全60試合に短縮されたメジャーリーグも、現地時間9月27日をもってレギュラーシーズンが終わり、プレーオフが行なわれている。異例のシーズンを過ごした選手たちの中には、大躍進を遂げた者もいれば、そうならなかった者もいる。
「もちろん、いい年ではなかったです」
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は、シーズン最終戦後の会見で悔しさを露わにした。

シーズン途中から打者に専念するも、調子が上がらなかった大谷
大谷は2年ぶりとなる"二刀流"で今季に臨んだが、先発登板2試合目に右ヒジ付近を痛めて投手を断念。以降は再び打者一本でシーズンを過ごした。
シーズン終盤の米メディアからの質問には「打者で貢献したい気持ちは強い」と答えたが、今までにないほどの不調に陥った。44試合に出場して、打率.190、7本塁打、24打点。その原因を探るため、著者は米メディアの証言を集めた。
地元紙『オレンジ・カウンティ・レジスター』のジェフ・フレッチャー記者は、「ソーシャルディスタンスの一環として、ビデオルームが閉鎖されました。試合中に映像を確認できなかったことは問題のひとつだったでしょう」と述べた。大谷も「できれば(映像を)見たい」と発言しているが、来季も状況が変わらなければ引き続き悩みの種になる。
スポーツ専門誌『ジ・アスレチック』は、「大谷は『振らない』と決めた時に、左足、または両足を動かすようになった。彼は球がよく見えていないようだ」と報じ、打席内での体勢に注目。さらに地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』は「対左投手の際に、体を引く癖が見られる」と指摘した。
その『ロサンゼルス・タイムズ』の記事を執筆したマイケル・ディジョバンナ記者は、「大谷選手はスイング時に一塁側に体が傾く傾向が出て、及び腰になっているように見えましたね。結果、左投手の外角に落ちる変化球に弱くなりました」と詳細を話した。
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春先にも異変はあった。キャンプ中断前の3月、大谷は右足を少し上げる「レッグキック」という打法を試していた。しかし、開幕直後は従来の足を上げない形に戻し、途中からは再び足を上げる形に変えるなど、試合や投手によって打ち方が固定しなかったのだ。
前出のディジョバンナ記者は、「3週間のサマーキャンプや開幕直後の数試合で、フォームを固める時間は十分ありましたが......」と言葉に詰まった。このように、さまざまな打撃不振の理由を報じられてきたが、米メディアの関心は大谷が"二刀流"の継続に意欲を見せていることに移っている。
6年連続でプレーオフ進出を逃したエンゼルスは、今季終了と同時にビリー・エプラーGMを解任。エプラーGMは2017年オフの大谷獲得に尽力し、メジャーでの"二刀流"への挑戦を後押しした存在だっただけに逆風が吹くかとも思われた。だが、チームは大谷の挑戦をサポートすることを明言している。
しかし、米メディアからは長期的な"二刀流"継続を心配する声も上がっている。
スポーツ専門メディア『ザ・スコア』は「今季のケガは、"二刀流"を長期的に継続できるかどうか、チームに再び疑問を投げかけた」と報じた。また、『ジ・アスレチック』も「チームにとって、大谷のピッチングは長期的な懸念事項になるだろう。まだ試す価値はあるが、もし次に失敗をすれば、投手としては終わる可能性もある」という内容を掲載している。
こういった意見について、エンゼルス番記者たちの見解はどうだろうか。
ディジョバンナ記者は、「投手では"支配的"になれると思いますし、打者ではクリーンナップを担える力があります」と大谷の能力を認めた上でこう続けた。
「この3年間で、彼の体は"二刀流"の厳しさに耐えられないことが明白になったと、私は思います。今後、投手と打者の成績がどちらも平凡になるか、故障続きで過ごすことになるのはもったいない。彼とチームは、投打のどちらかを選択したほうがいいと考えます」
一方、フレッチャー記者は「2018年の活躍ぶりを見れば、大谷選手の才能は疑う余地がない。エンゼルスは"二刀流"を続けられる機会を彼に与えるべきです」と強く肯定するも、「投球中にまた故障をしてしまえば、投手としてのキャリアは終わるかもしれない」という懸念も示した。さらに、大谷が打者に専念すると仮定した場合に、どれほどの成績が求められるかにも言及した。
「最低でも打率.280、20本塁打は求められるでしょうね。期待度が高いぶん、1、2年目でそれくらいの成績を残せなければ、チームやファンは納得しないと思います」
来季でメジャー4年目を迎える大谷にとって、2021年シーズンは正念場になる。さまざまな意見があるが、引き続き"二刀流"で出場することになったら、今季の評価や成績をすべて覆す活躍を見せてくれることをファンは願っているだろう。オフシーズン中、克服すべき課題に立ち向かう大谷への期待はさらに高まっていく。