日本選手権最終日 東京五輪まで10か月を切った中、陸上の日本選手権最終日が3日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われ、女子100メートル障害決勝では日本記録保持者・寺田明日香(パソナグループ)が13秒14(向かい風0.1メートル)の2…

日本選手権最終日

 東京五輪まで10か月を切った中、陸上の日本選手権最終日が3日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われ、女子100メートル障害決勝では日本記録保持者・寺田明日香(パソナグループ)が13秒14(向かい風0.1メートル)の2位で10年ぶり4度目の優勝はならなかった。青木益未(七十七銀行)が13秒02で2年ぶり2度目の優勝に輝いた。

 最後にかわされた。寺田は勢いよく飛び出して先頭争いを演じたが、青木に及ばず。「私の力不足ですし、大きい舞台でしっかり速いタイムを出してきた青木選手には及ばない」とコメントし、こう続けた。

「昨日の時点でそんなにいい走りはしていなかったし、そのままだったのがよくないですし、そこをどうカバーするのかが今日の課題だった。ダメならダメなりに突っ込んでいこうと思っていたけど。うまく調子を上げられなかったので、選手としてやれてない部分がある。大きい舞台に合わせてくるのがトップ選手。そこが私に備わっていないものだと思います」

 日本選手権は2010年まで3連覇。結婚・出産、ラグビー経験を経て昨年競技に復帰し、12秒97で日本新記録を樹立した。8月23日のセイコーゴールデングランプリでは13秒03で優勝しているが、同29日のアスリートナイトゲームズイン福井は追い風参考(2.1メートル)ながら12秒93で2位だった。

 9月の全日本実業団選手権は練習の疲労もあり、左ハムストリングの違和感で棄権。治療器を使うなど回復に努めた。日本記録保持者となり「日本記録を出して注目していただいてありがたいけど、上に立つものとしてそういうのを気にしすぎて楽しむことが去年より薄くなっていた」と心境の変化を説明した。

 6歳の長女・果緒ちゃんに親として競技の素晴らしさを伝えたい。今大会は楽しむことを意識した。30歳のママさんハードラーは「本当にスポーツっていいものだと母親として思えた。これから競技生活をしていく部分でも忘れてはいけない部分だなと思いました。来年は五輪があるので、それに絡む日本選手権には力をつけて戻ってきたい」と飛躍を誓った。(THE ANSWER編集部)