日本サッカー界でもグローバル化が進み、ヨーロッパをはじめ、様々な国でプレーする日本人選手がいる中、東南アジアの地に華の9…

日本サッカー界でもグローバル化が進み、ヨーロッパをはじめ、様々な国でプレーする日本人選手がいる中、東南アジアの地に“華の92年組”の一人が存在する。
タイサッカー2部リーグのカスタムズ・ユナイテッドFCに所属する日本人プレーヤー、南部建造(27歳)は、エイバルへと加入した武藤嘉紀やカタールのアル・ホールSCに移籍した小林祐希と同世代であり、小学校時代からお互いをよく知る。
中京大学で主将を務め、卒業後はカターレ富山、ブリオベッカ浦安、FC大阪でのプレーを経て、昨年にタイへと渡った南部は、日本ではあまり知られていない同国での苦悩や、チームの現状についてSPORTに語ってくれた。
■カスタムズ・ユナイテッドFCの現状
新型コロナウイルスの影響による中断明けからリーグ戦4試合が終わり、カスタムズ・ユナイテッドは1勝3敗と不調に陥っている。
中断前は2勝1敗1分けで6位につけ、失点も4試合で3失点と安定していたが、中断明けからは7失点。
原因の一つは攻撃が押し込めず、守備に負担をかけてしまうからだという。
「良い攻撃が出来ていないから良い守備も出来ていない。勝ててないし、失点も多いからずるずる引いてしまう。ブロック敷いて、ハーフラインまで全員が引いてしまっている。僕は左サイドハーフをやっているけれど、ディフェンスラインまで下がっています。これでは相手に押し込まれてしまうんです。チームとしてよい形を作れていないですね」と語った南部は「個人の面でもストレス」を感じているようだ。
また、もう一つの原因としてエースの退団があったという。これは新型コロナも影響しているようだ。
「得点源だった韓国代表の選手が出て行ってしまいました。(新型コロナ影響による)給料カットとか家族のビザの問題など、サッカー以外のサポートの面で満足いかなかったみたいです」と南部は語る。
同選手もその面で苦労しているようだ。妻と共に暮らす外国人にとってビザの手続きは「大変」なことだと彼は言う。
「コロナの影響でビザ延長の手続きに苦労しています。奥さんの(ビザ手続き)は手をつけてくれないから、自らクラブにお願いしないといけないんです。クラブにはフォローしてほしいし、理解してほしい。だから試合での結果はより大切になってくるんですよ」
現地では仕事をせず、食事の管理など全面的にサポートをしてもらっている妻のためにも、南部はクラブへの理解を示しているようだ。
■同世代の選手たち
話は、プラチナ世代とも呼ばれている、同世代の選手たちに移る。
小学生時代から武藤を知る南部は当時から、彼が周囲とは違うレベルにあったことを明かした。
「武藤選手と初めて会ったのは小学校の東京都トレセンです。何も知らない中行ったら明らかに一人違う選手がいました。それが彼(武藤)だった。パワーやスピード、ばね、しなかやさだったりとか、日本人離れしていました。なかなか日本ではいないような選手でしたね」
また、武藤の他にも小林祐希の名も挙げた南部は彼らの存在が自身のモチベーションに影響していることを明かした。
「僕がサッカーを続けているのは、彼らの存在が大きいです。代表に選出されたり海外でプレーする彼らとカテゴリーだったりレベルは違うかもしれないけど、“負けたくない”って気持ちは大きいです」
■目標
リーグ戦でのチーム目標を「プレーオフ6位以内」、個人目標を「20ゴール(現在2得点中)」と掲げた南部は、中期的な将来についても言及した。
「来年は1部で15ゴールを挙げたいですね。タイのビッグフォーとも言われているバンコクのビッククラブでプレーして、1試合でもいいから日本代表に呼ばれたいです」
彼の未来は明確で、その後は「中東」でのプレーを望んでいるようだ。中東といえば旧友でもある小林祐希が移籍した地でもあるが、南部は以前からその考えを持っていたようだ。
「レベルが高くて、サッカーも楽しめる。人としても成長できるといったら、中東だった。生活環境もいいし、いろいろなビジネスが動いているので、近くでみて学べたらなと思いました。サッカー以外の面でも学べることが多いのかなと思ってます」
■ピッチ外での取り組み
このようにビジネス面での将来も見据えている南部は、このコロナ期間を利用し、新たな取り組みを試みている。
アスリートとして食にも興味を示す南部は昔から馴染みのある友人でもあり、子供の成長や教育、未来をよりよくすることの目的が合致した『株式会社ALL GOOD COMPANY』の代表とクリエイティブパートナー契約を結び、未来に向けた活動を共にすることとなった。
『ALL GOOD STORE』というお店を横浜に構える同社とパートナーとして一緒に歩んでいく南部は「僕はサッカー選手そして、ファーマーの方と、2人で力を合わせて活動を展開していきたい」と意気込んだ。
コロナの影響は間違いなく受けているものの、彼はネガティブに捉えることなく先を見続けている。