サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Questionパスを受けたスアレスはどう崩したか? バルセロナで絶対的なス…

サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~

Question
パスを受けたスアレスはどう崩したか?

 バルセロナで絶対的なストライカーとして地位を築いた、ルイス・スアレス。在籍6シーズンの間に198ゴール(クラブ歴代3位)を記録し、2015-16シーズンには40ゴールでリーグ得点王にも輝いた。リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドの両雄が全盛のなか、そのタイトルは偉業と言えた。

 そんな偉大なストライカーも、この度構想外という形でその地位を失うこととなった。涙ながらに退団会見を行なったスアレスが新天地に選んだのは、リーグタイトルを争うライバルの一つ、アトレティコ・マドリードだった。

 退団から3日後のラ・リーガ第3節グラナダ戦、後半26分にジエゴ・コスタとの交代でスアレスは早速デビューした。ファーストタッチでマルコス・ジョレンテのゴールをアシストすると、後半40分にはヘディングで初得点を記録した。



右サイドからパスを受け、中を向いたスアレス。このあと中央のビトーロと、どんなコンビネーションを見せただろうか

 そしてアディショナルタイム、スアレスは右サイドのマルコス・ジョレンテからパスを受けて内側にターンした。次の瞬間、中央とのビトーロとのコンビネーションで、スアレスはどのように崩しただろうか?

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Answer
斜めに走りこんだビトーロとのワンツーでシュート

 スアレスが右サイドのマルコス・ジョレンテからハーフスペース(サイドと中央の間)でパスを受け、内側にターンした時、ビトーロとの選択肢は2つあったはずである。



スアレスは、斜め前に走りこんだビトーロとワンツーを決めて、中央からシュート。こぼれ球を冷静に押し込んだ

 一つはビトーロを使ってワンツーでスアレスが縦に抜け出して、そのままシュートを放ったり、あるいはDFヘルマン・サンチェスを釣り出してから、クロスをビトーロに合わせる形だ。

 そしてもう一つが、今回ふたりが選択したプレーだった。スアレスがターンした瞬間、先にアクションを起こしたのはビトーロだ。

 縦のスペースに指をさしながら、斜めに動き出すダイアゴナルラン。サンチェスを引き連れて中央にわずかなスペースをつくりながら、スアレスのパスを呼び込んだ。

 スアレスはその動きに反応し、縦にボールを流してそのスペースに走り込んだ。そしてビトーロからワンタッチでのリターンをもらい、ダイレクトでシュート。ボールはポストに跳ね返されるも、スアレスはそれを冷静に押し込んだ。

 崩しの形としてはオーソドックスだが、ビトーロの動きの質が高かった。練習時間がほとんどなかったなかで、スアレスはビトーロの動き出しを瞬時に理解して、鮮やかなコンビネーションを披露。結局、2ゴール1アシストと改めてクオリティの高さを証明し、鮮烈な新天地デビューを飾った。