テニスの世界ランキング12位、22歳のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)は、「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)1回戦で、キャリアで初めて5セットのフルセットマッチで劇的な勝利を挙げた。試合後にルブレフは、…

テニスの世界ランキング12位、22歳のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)は、「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)1回戦で、キャリアで初めて5セットのフルセットマッチで劇的な勝利を挙げた。試合後にルブレフは、自身の試合について、そしてグランドスラムでのフルセットマッチについて語った。伊ニュースサイトUBI Tennisが報じている。【トーナメント表】全仏オープン男子シングルス

ルブレフは1回戦で、198㎝の長身からビッグサーブを放つ元世界11位のサム・クエリー(アメリカ)を相手に、最初の2セットを取られながら6-7(5)、6-7(4)、7-5、6-4、6-3という激闘を制した。ルブレフは「全仏オープン」開幕直前に、「ATP500 ハンブルク」決勝で同世代ライバルの一人ステファノス・チチパス(ギリシャ)を制して優勝を遂げたばかりだが、まだまだ自分のプレーに満足はしていないようだ。

1回戦の試合後インタビューでルブレフは語った。「今日は勝てたけど、まだまだ改善すべき点は多い。僕の態度はひどかった。もしもっとうまくなって高いレベルで戦いたいと望むなら、あんな姿勢ではだめだ。僕はそれを変えなきゃいけない」

今回の「全仏オープン」男子シングルスの1回戦では、12試合がフルセットで戦われた。中でもコランタン・ムーテ(フランス)とロレンツォ・ジュスティーノ(イタリア)の試合は、最終セット16-18まで決着がつかず、試合時間6時間5分と、大会史上2番目に長い試合となった。

第5セットでタイブレークを取り入れていないのは、今ではグランドスラムでも「全仏オープン」だけだ。「ウィンブルドン」では第5セットが12-12となった時点でタイブレークとなる。「全豪オープン」と「全米オープン」では第5セットでも6-6になった時点でタイブレークになるが、「全米オープン」は通常通り2ポイント以上の差をつけて7ポイント先取というやり方、「全豪オープン」は10ポイント先取のスーパータイブレークだ。

ルブレフはそのことに言及。「僕の意見では、すべてのグランドスラムで同じやり方にすべきだと思う。一番いいのは“全仏オープン”、それから“ウィンブルドン”のやり方かな。“ウィンブルドン”のやり方だと、いわば1セット余分にやって、それでも決着がつかなければタイブレークを行うということだから」とコメントした。

一部には、テニスがもっと若い世代にアピールするためには試合時間をもっと短くするべきだ、という意見もある。だがルブレフは、長い試合を戦うことはよりモチベーションを高める、と言う。

「僕の意見は、最終セットはタイブレークをやるべきじゃないと思う。こういう試合は心に残るものだから。“何のためにあれだけ厳しい練習をしてきたか分かった”と思う。そして自分を前よりもっと誇らしく思うんだ」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP500 ロッテルダム」でのルブレフ

(Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)