日本選手権第2日 東京五輪まで10か月を切った中、陸上の日本選手権第2日が2日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われ、女子800メートルでは2017、18年大会女王の北村夢(エディオン)が2分14秒02の2組9着で予選落ちとなった。コ…

日本選手権第2日

 東京五輪まで10か月を切った中、陸上の日本選手権第2日が2日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われ、女子800メートルでは2017、18年大会女王の北村夢(エディオン)が2分14秒02の2組9着で予選落ちとなった。コロナ禍と故障の影響で今大会が今季初レースに。24歳はコロナ禍の調整の難しさを涙ながらに明かした。

 思うようなレースができなかった。北村は3、4番手でついていき、最後に予選通過圏内の2着以上に入るプランを描いていたが、加速しきれず。「練習が1か月という短い期間で2着を取れる自信は全くなかったし、この組で最下位になることも考えていた。ラストに上がれればよかったかなと思っていたけど、切り替えもできずに抜かれていった」と振り返った。

 2017年9月、日本記録にあと0秒47と迫る歴代2位の2分0秒92をマーク。日本人初の1分台を視界に捉える実力者だ。しかし、コロナ禍の自粛期間中は練習を制限された。できたのは、人のいない時間帯の軽いジョギングと自宅で軽い筋力トレーニングをするくらい。さらに調整不足が影響したのか、本格的な練習再開後に右ハムストリングを肉離れしてしまった。

「(自粛が)解除されてから練習で怪我をしてしまった。今年はなかなか試合も出られなくて、その中で練習中に怪我をして、どんどんどんどん初戦が遅れて焦りがあった。今大会は予選で落ちる覚悟で来ていたので、これが現実だなということを走ってみて凄く感じています」

 まともに練習ができたのは9月初旬。約1か月の短い期間で日本一を決める大会に臨まざるをえなかったが「ずっと自粛期間で走れないストレスもあったし、やっと走れたところで怪我をしてしまったので、プロとしての力不足というか、そういうのも防げなかったのも自分の力不足。複雑というか、それも今の自分の力かなと思います」と言い訳はしなかった。

 かつて連覇を果たした元女王もコロナの影響を受けた。今後も世界と戦うことも目指し、レベルアップに励む。「今は全く自分の走りが定まっていないので、2分0秒台を出した時の感覚を取り戻すのはもちろんですけど、それより上を目指すにはもっと自分の中でプラスを見つけ出していかないと世界では戦えない」と成長を誓った。(THE ANSWER編集部)