テニスの世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、パリでグランドスラム18回目の栄冠を目指す。コロナ禍によるプロテニスツアーの中断後、ジョコビッチは既に「ATP1000 ウェスタン&サザンオ…

テニスの世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、パリでグランドスラム18回目の栄冠を目指す。コロナ禍によるプロテニスツアーの中断後、ジョコビッチは既に「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン」「ATP1000 ローマ」の2大会で優勝を果たしている。だが「全米オープン」では、キャリアで初めての失格処分を受けてしまった。ジョコビッチがこのことについて語ったとTennis World USAが報じた。【動画】ジョコビッチが失格処分となった全米OPでの行動【トーナメント表】錦織、西岡ら出場!全仏OP男子シングルス

ジョコビッチはそれについて、過ちは既に過去のことで、前を向いて進んでいるという。「全米オープン」で失格処分を受けるまで、ジョコビッチの2020年の戦績は26勝0敗、「ATPカップ」「全豪オープン」「ATP500 ドバイ」「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン」で優勝し、「全米オープン」でグランドスラム優勝数を伸ばそうと試みていた。

3試合を順調に勝ち進んだ後、パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)との4回戦の第1セットで、5-4とリードしていた時に3度、相手のサーブでセットポイントを迎えたが、3度とも凌がれてゲームカウントはタイに。次のゲームをブレークされ、5-6とリードされたジョコビッチは苛立った。

そして不注意に後ろに打ったボールが線審の女性の喉に当たり、女性は膝をついてあえいだ。審判団は長い協議の末、ジョコビッチを失格とした。

「今後は、コート外にボールを打つ時はもっと注意深くする。“全米オープン”が終わった後もしばらくあのことは頭から離れなかった。二度と同じ過ちは犯さない。既に起こってしまったことは変えられない、受け入れて前に進むしかない」

「あのことは僕にも、他の多くの人にもショックな出来事だった。でも人生でもスポーツでも、思いもしないことが起こることはある。あのことが今後の僕がコートに立つ時に心理的な影響を及ぼすとは思わない。実際あの後ローマで優勝したしね。プレーをする上で、あるいは感情を表すことに問題を感じたりはしなかった」

「ネガティブなことはいつも引きずらないようにしている。だからもう気にしてないよ。いつも自分自身を許して、自分の道を行くようにしているんだ。僕は人間だから、他の人たちと同じように欠点もある。ツアーに長くいるから、あんなことも起こり得るのはわかってる」とジョコビッチは語った。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP1000 ローマ」でのジョコビッチ

(Photo by Riccardo Antimiani - Pool/Getty Images)