2019年ワールドカップでの王座奪還をビッグターゲットとし、アリスター・クッツェー新ヘッドコーチのもとで再出発を切った南アフリカ代表だが、今年のヨーロッパ遠征では1勝もできず、指揮官交代を望む国民の声はヒートアップしそうだ。 過去2回のワ…

 2019年ワールドカップでの王座奪還をビッグターゲットとし、アリスター・クッツェー新ヘッドコーチのもとで再出発を切った南アフリカ代表だが、今年のヨーロッパ遠征では1勝もできず、指揮官交代を望む国民の声はヒートアップしそうだ。

 過去2回のワールドカップを誇る南ア代表“スプリングボックス”だが、ラグビー大国の誇りはズタズタとなっている。
 昨年秋には、格下と思っていた日本代表相手に屈辱的な敗北を喫した。今年のザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)ではニュージーランド代表に歯が立たず、アルゼンチン代表とオーストラリア代表に1敗ずつして3位と低迷。欧州遠征の初戦はバーバリアンズと31-31で引き分け、その後は10年ぶりにイングランド代表に黒星をつけられ、先週末にはイタリア代表に初めて敗れた。
 そして迎えたツアー最終戦、26日にカーディフのプリンシパリティスタジアムで世界ランキングは1つ下(6位)のウェールズ代表と対戦し、13-27で惨敗。

 互いにPGで得点を重ね、15-6とリードしたウェールズが45分(後半5分)、ラインアウトからモールで前進し、抜け出したHOケン・オーウェンズが5点を追加した。南アも70分にラインアウトモールでゴールラインを越え、7点差に詰めたが、ウェールズは76分、敵陣22メートルラインに迫ると、NO8トビー・ファレタウからパスをもらったFLジャスティン・ティプリックがディフェンスを破ってゴールに持ち込み、これが決定的なトライとなった。

 クッツェー新体制となっての2016年のスプリングボックスは、テストマッチ4勝8敗(勝率33%)。散々な結果に終わり、フラストレーションを抱えたまま年を越す。