昨年まで阪神に所属していたカージナルスの呉昇桓投手は今季、メジャー1年目のシーズンで圧巻の活躍を見せた。中継ぎとして開幕を迎えたが、ローゼンタールの不調により、シーズン途中からクローザーに昇格。プレーオフ進出は逃したものの、ワールドシリーズ…

昨年まで阪神に所属していたカージナルスの呉昇桓投手は今季、メジャー1年目のシーズンで圧巻の活躍を見せた。中継ぎとして開幕を迎えたが、ローゼンタールの不調により、シーズン途中からクローザーに昇格。プレーオフ進出は逃したものの、ワールドシリーズ制覇11度を誇る名門球団を支えた。

■米メディアが絶賛、FA市場の目玉となっている2人の守護神を上回る数値をマーク

 昨年まで阪神に所属していたカージナルスの呉昇桓投手は今季、メジャー1年目のシーズンで圧巻の活躍を見せた。中継ぎとして開幕を迎えたが、ローゼンタールの不調により、シーズン途中からクローザーに昇格。プレーオフ進出は逃したものの、ワールドシリーズ制覇11度を誇る名門球団を支えた。

 米メディアは、2年目も呉昇桓がクローザーを務めるべきだと伝えている。米スポーツメディア「Scout.com」のカージナルス専門サイト「TheCardinalNation.com」の責任者、ブライアン・ウォルトン氏は自身のツイッターで「カージナルスの呉昇桓はチャップマンとジャンセンよりもWARの数値が上だった。エリート・クローザーと契約する前に、自前の守護神で事が足りる」と絶賛。FA市場の目玉となっているアロルディス・チャップマン(カブスからFA)、ケンリー・ジャンセン(ドジャースからFA)よりも、呉昇桓が上だと訴えた。

 阪神を退団して海を渡った右腕は今季、76試合に登板して6勝3敗19セーブ14ホールド、防御率1.92。さらに、79回2/3を投げて103奪三振18四球、WHIP(1イニングあたりの四死球+被安打)0.916と、まさに獅子奮迅の活躍を見せた。

 打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表すセイバーメトリクスの指標で、そのポジションの代替可能選手と比較し、どれだけ勝利数を上積みしたかを表すWAR(Wins Above Replacement)は、ESPNの算出では2.8をマーク。ウォルトン氏の指摘通り、チャップマンとジャンセンの2.5を上回っている。メジャー屈指の救援投手よりも、ハイレベルなパフォーマンスを見せたことになる。

■元ロイヤルズ守護神獲得でもクローザーは呉昇桓に

 また、各球団の補強ポイントについて特集したMLB公式サイトの記事では、カージナルスの欄で補強候補としてグレッグ・ホランドの名前が挙げられている。ホランドは元ロイヤルズの守護神で、2014年はワールドシリーズ進出に大きく貢献。シーズン46セーブを挙げ、リーグ最高のクローザーに贈られるマリアノ・リベラ賞の初代受賞者となった。しかし、世界一に輝いた15年はシーズン途中にトミー・ジョン手術を受けて戦線離脱。その後、ノンテンダーFAとなり、今季は無所属となっていた。

 負傷明けとはいえクローザーとしての実績は十分だが、カージナルスは獲得したばかりの左腕セシルとともにセットアッパーの役割を任せるため、ホランドを獲得すべきだと記事では指摘。「彼(ホランド)は、先発ローテーションの負担を軽減するために、セシルとともに呉昇桓の前を任せられる強力な投手だ」。このように、呉昇桓が当然、クローザーを務めるべきだとしている。

 来春は第4回WBCが控えるが、呉昇桓は現時点で招集されないことが決定的となっている。準備万端で臨む来季も、衝撃的な活躍を続けそうな気配だ。