コロナ禍は世界中で経済に影響を与えている。テニス選手たちや大会も大幅に収入源となり、いつもにもまして、下位ランキングの選手たちにとって大会の賞金額の重要性が増している。そんな中、「全仏オープン…

コロナ禍は世界中で経済に影響を与えている。テニス選手たちや大会も大幅に収入源となり、いつもにもまして、下位ランキングの選手たちにとって大会の賞金額の重要性が増している。そんな中、「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)の今年の賞金はどうなっているのだろうか。ウェブメディアEssentially Sportsが報じた。【トーナメント表】錦織出場!全仏OP男子シングルス

先日終了した「全米オープン」は、無観客での開催にもかかわらず、前年の95%の賞金総額を支払った。そして「全仏オープン」も、厳しい経済状況の中でも、前年の約89%の賞金を支払う。

昨年の賞金総額は4266万ユーロ(約52億3800万円)で、今年は3800万ユーロ(約46億7000万円)。だが今回の大会ではウイルス感染防止対策のため観客数は大幅に縮小され、チケット売上げも商品売り上げも大きな痛手を被ることを考えれば、この賞金額は大したものだ。

一方の選手たちは、収入を出場した大会での賞金だけに頼っている下位ランクの選手たちほど、その受けたダメージは大きい。多くの大会が開催されず、彼らの苦境は続いている。それで「全仏オープン」は、予選出場者と本戦1回戦敗退者の賞金を大幅に増額した。

2019年は、シングルス予選1回戦敗退では7000ユーロ(約85万9000円)、2回戦では1万2250ユーロ(約150万円)、3回戦では2万4000ユーロ(約294万5000円)だったが、今年はそれぞれ1万ユーロ(約122万8000円)、1万6000ユーロ(約196万3000円)、2万5600ユーロ(約314万3000円)。本戦1回戦敗退者は前年の4万6000ユーロ(約564万円)から6万ユーロ(約738万円)となった。

そして早いラウンドでの敗退者への賞金額が増えた分、勝ち進んだ選手たちへの報酬は減額されることとなった。ベスト8以内の選手たちは約30%ダウンで、2019年の準々決勝進出者は41万5000ユーロ(約5096万円)、準決勝進出者は59万ユーロ(約7245万円)、準優勝118万ユーロ(約1億4500万円)、そして優勝賞金は230万ユーロ(約2億8200万円)だったが、2020年はそれぞれ28万3500ユーロ(約3481万円)、42万5250ユーロ(約5222万円)、80万ユーロ(約9823万円)、160万ユーロ(約1億9644万円)となっている。

※為替レートは2020年9月25日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「全仏オープン」のロゴ写真

(Photo by Aurelien Meunier/Getty Images)