今月27日に行われる総合格闘技イベント「RIZIN.24」。今大会、注目すべきカードといえば、やはり「神童」・那須川天心と今年7月にK-1から電撃離脱を発表し、RIZINへ参戦となった皇治の一戦だろう。その一戦を前に、那須川を学生時代から…

 今月27日に行われる総合格闘技イベント「RIZIN.24」。

今大会、注目すべきカードといえば、やはり「神童」・那須川天心と今年7月にK-1から電撃離脱を発表し、RIZINへ参戦となった皇治の一戦だろう。

その一戦を前に、那須川を学生時代からサポートし、彼の所属団体であるRISEの伊藤隆会長に特別インタビュー。

後編となる今回は、伊藤会長が語る那須川天心の凄さ、成長と課題、さらには27日に行なわれる試合の見所についてお伝えする。

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RISE会長が語る那須川天心発掘秘話「絶対にこの子をスターにしなければいけない」 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/takashiito-interview-01/

彼は「努力の天才」

 

プロデビュー以来40戦負けなし。キックボクシングの天才とも呼ばれるほどトップ選手に登り詰めた那須川。そんな那須川が「天才」と呼ばれていることについて、伊藤会長はこう語る。

「彼は周りから『天才』と言われているんですが、僕は彼を『努力の天才』だと思っています。彼は本当に努力を惜しまないですし、ジムでやったことを帰宅してからも復習し、できるまで行っていましたね。
高校2年生くらいからは、二部練習三部練習といった感じで、ボクシングやフィジカルトレーニングにも通っていました。
彼は本当に、強さに対する欲求、そのための努力を惜しみませんでしたね。
この当たり前のことがなかなか皆できないのですが、彼はすんなりできるというか、必然的にここまで来たのかなと思います。」

だが、「天才」故に、伊藤会長にとって、予想外だったこともあるという。

「努力に加え、彼は凄く心が純粋で綺麗な子なので、後は僕たち周りの人間がサポートすれば間違いなくトップにいくだろうなと思っていました。ただ、その中で彼は、僕たちの予想よりも早く走ってしまったというのはありましたね。」

その言葉通り、今では対戦相手を探すことすら困難と言われるほど、ある意味「孤独」な状況にいる那須川。普通ならば、目標を見失ってしまう立場にあってもおかしくはないが、それでも戦い続けられる強さはどこにあるのだろうか。

「今はキックボクシングやRISE、格闘技にとどまっていますが、そこで終わりじゃないと切り替えられるところじゃないですかね。
彼自身は、唯一無二の存在になりたいんです。人間を超越したいんですよ。
皆、疑うかもしれませんが、今の天心を見ていると本当に成し遂げてしまうような気がするんですよね。それは彼自身も思っていると思います。
それは彼の今までの努力や結果、有言実行してきたことがあるからそう思いますし、我々もとことんサポートしないとなと思いますよね。
彼のそういった部分がどんどん枝分かれしてサポートが増えていくというのも、彼のすごいところだと思っています。」

彼のファイターとしての人生を見て欲しい

そんな努力する天才・那須川が、伊藤会長と出会い、最も成長したのはどんな部分なのだろうか。

「全ての部分だと思いますね。
肉体も大きくなり、パワーなんかは高校時代と比べものにならないくらいついていますし、メンタル面も修羅場を経験して強くなっている。
距離の取り方も、元々上手だったものがさらに上達しているというのはありますよね。
僕が出会った時から7、8倍は変わっていますね。
人間面でいうと、考え方も変わってきたし、後は彼、周りの空気を読む力が凄いんですよ。
普段話す中で、相手の求めることや考えていることがすぐわかるんです。
そこは天心のお父さんの教育が凄かったという部分もありますよね。
やはり、那須川天心のお父さんは、那須川天心を作ってきた部分は大きいですね。」

その中で、この先、那須川が「超人」になるための課題について、伊藤会長はこう話す。

「不動心じゃないでしょうか。またメンタルの上限ってないと思うんですよ。メンタルは、経験すればするほど強くなると思うので・・・。
これから那須川天心は、色々な人に決定的な対策を練られたり、ターゲットにされる訳じゃないですか。
沢山のファンがいる一方で沢山の敵もいる。そういうものにこれからも不動心でいないとならない。天心に前に言っていたのは、『自分の弱みは自分が1番知っている。その中で自分が自分を倒すとしたらどうなるか。それを補えば、他人も自分と同じようなことを考える訳だから、そこを考えると変わってくると思う。』と話した事もありました。
これから外国で戦う際には、アウェー感が顕著に表れることもありますし、そういった揺さぶりにも不動心でいくメンタルが必要だと思いますね。」

そんな天心について、伊藤会長は応援してくれるファンに対し、こんな思いを語ってくれた。

「彼は自分の目標をクリアしたらまた次に行く。ゴール達成したらそこで終わりではないんです。
彼の中でこの先5、6年分ものスパンがあるわけなんですよね。
普通、22歳で自分のスパン通りに行かないですよ。
これから先はどうなるかわからないけど、それを天心は着実に歩んできている。
いずれボクシング の道へ進むかもしれませんが、彼のファイターとしての人生を見てもらい、一緒に応援してもらいたいなという思いはあります。」

経験してきたものが圧倒的に違う

そんな那須川が、27日、昨年大晦日ぶりにRIZINの舞台に登場する。

注目の一戦を前に、伊藤会長は試合展開について、こう話している。

「2Rまでに決着がつくんじゃないでしょうかね。
天心と皇治選手では経験してきたものが圧倒的に違う。
私含め、私のチームの考えが間違っていなければ2Rまでに決着が着くと思いますね。
特に皇治選手は実力は別として、あそこまで有言実行しているのはある意味リスペクトですよ。凄いです。ただ、リングに上がったらそれは通用しないので。そこが見所じゃないでしょうか。」

その中で、那須川への期待についてはこう寄せている。

「僕が最初に天心に言っていたのは、キックボクシング=那須川天心になれと。今は格闘技=那須川天心になって欲しいと思っています。唯一無二の存在になって欲しいですね。」

無敗の天才キックボクサー・那須川天心と、満を持してRIZINの舞台に姿を現す皇治。

格闘技ファン誰もが注目する一戦がいよいよ幕を開けるー。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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