ルーキー廣瀬が期待に応える一発！　エース木澤は６回０封で初戦を制す／東大１回戦

　昨季、法大に敗れ連覇を逃した慶大が、東京六大学秋季リーグ戦（秋季リーグ戦）の開幕を迎えた。相手は平２９（２０１７）秋以来の勝利を目指す東大。試合は初回、廣瀬隆太が左越え２ランを放ち慶大が先制する。２回にも宮尾将の犠飛で加点し、主導権を握った。先発の木澤尚文は要所を締める投球で６回７奪三振無失点。７、８回は小林稜、９回は生井惇己がそれぞれ無失点で抑え、今季初戦を完封リレーで制した。

　この日の先発はドラフト１位候補にも挙げられる木澤。初回から１５０キロを計測し、三者凡退に抑える上々の立ち上がりを見せる。するとその裏、慶大が先制パンチを浴びせる。渡部遼人が左前打で出塁すると、打席には１年生ながら３番・一塁でスタメンに抜擢された廣瀬。東大先発・井澤駿介の失投を見逃さず、甘く入った速球を左翼席にたたき込んだ。廣瀬はこれがリーグ戦初安打。起用に応える一打となった。続く２回にも１死一、三塁の好機をつくり、宮尾の右犠飛で１点を加えた。

先制２ランを放ち、渡部遼（左）とタッチを交わす廣瀬

　序盤から援護をもらった木澤だったが、中盤から苦しい投球となる。４回は四球と犠打などで２死２塁のピンチを招き７番・中井徹哉（２年）に右前打を許すが、これを右翼手・正木智也が本塁へ好返球。失点は何とか防いだ。６回にも安打と四球で１死一、二塁とされるが、ここも木澤が踏ん張り、無失点で救援陣にバトンを託した。一方の打線は、井澤のコースを丁寧につく投球の前に３回以降無得点に抑えられる。５回には３四球で２死満塁の好機を得るが、６番・橋本典之は投ゴロに倒れ追加点は奪えず。３点リードで試合は終盤へ向かった。

粘りの投球で６回を無失点に抑えた木澤

　７回、木澤の後を継いだ小林稜は中井にこの日３本目の安打を許すなど１死二塁のピンチを迎える。しかし、東大屈指の好打者である岡俊希、笠原健吾主将を連続三振に切って取り、追い上げは許さない。８回も無失点でしのぎ、９回は生井がマウンドへ。その生井は危なげなく三者凡退に打ち取り、試合終了。２季ぶりの優勝に向け、まずは１勝目を挙げた。

　３－０と危なげないスコアではあったものの、４回以降は東大投手陣の前にわずか１安打、無得点と、春季リーグ戦から大幅に組み替えた打線が機能しなかった。先発の木澤も失点こそ許さなかったが、東大打線に数多くの好機を作られる苦しい展開に。スタミナ不足か雨の影響か定かではないが、中盤からは球速も落ち明らかに本調子ではなかった。それでもルーキー廣瀬の本塁打など、相変わらずの層の厚さを見せたのも事実。戦力は十分にそろっているだけに、次戦の東大２回戦では投打で圧倒したいところだ。

（記事　山崎航平、写真　杉崎智哉）