ネリにリング誌注目「体重管理で挫折したが…」 ボクシングの前WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリは25日(日本時間26日)、WBC世界スーパーバンタム級6位アーロン・アラメダ(ともにメキシコ)との同級王座決定戦(米コネチカット州)の前日計量…

ネリにリング誌注目「体重管理で挫折したが…」

 ボクシングの前WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリは25日(日本時間26日)、WBC世界スーパーバンタム級6位アーロン・アラメダ(ともにメキシコ)との同級王座決定戦(米コネチカット州)の前日計量に臨み、リミット55.3キロを0.5ポンド(約0.23キロ)下回る55.11キロでパスした。米専門誌「ザ・リング」は、ネリに影響をもたらしたトレーナーに注目している。

 ネリは3戦ぶりに前日計量を一発クリアした。ボクシング界で最も歴史と権威のある同誌は計量前に掲載した記事で「ルイス・ネリは過去が消えないものであることを理解している。しかし、そこから学び、前へ進むことはできる。禁止薬物の陽性反応が出たことや体重管理で挫折したにも関わらず、新しい階級で世界タイトルを獲得することを目指している」と指摘。これまで再三の体重超過やドーピング違反を犯してきたネリについて説明していた。

 さらに同誌はネリに電話インタビューをした内容を紹介。こう語っていたようだ。

「今回のパンデミックは俺にはそこまで影響してこなかった。ずっとジムにいてトレーニングしていたわけだから。スパーリングもいつも通りこなしていた。アクティブに過ごしていた。一方、家族とも長い時間をともに過ごすことができた。それは俺にとって大切なことなんだ」

 当初はアラメダ戦も3月に予定されていたが、コロナ禍で開催不可能に。一時は夏にも開催される案が浮上したが、実現しなかった。相次ぐ延期にもトレーニングを続けた前王者。計量はパスして当然とされているが、同誌は体を作り上げた背景について「ネリはレイノソ氏が陣営にいることにより、厳しいトレーニングと試合前の体重維持の観点で自分は成長できると信じている」と指摘している。

「規律」を手に入れたネリが自信「強い印象を与えながら勝つ」

 ネリは昨年11月の前IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦でも体重超過を犯し、試合中止に。以降、4階級制覇王者のカネロことサウル・アルバレス(メキシコ)らを指導する名伯楽エディー・レイノソ氏に弟子入りした。同誌が指摘するように、ネリはこう語ったという。

「エディー・レイノソのような人物の存在は俺にとって、とても重要だ。ジムの中で彼は規律の大切さを俺に注入してくれるんだ」

 悪名高きメキシカンボクサーだが「規律」を手に入れたという。勝てば2年7か月ぶりの世界王座返り咲き。「俺は122ポンド(スーパーバンタム級)でも活躍できると思う。そして126ポンド(フェザー級)でも同様に活躍し、世界タイトルのベルトを獲得できる。王座が空位でもアラメダがタイトルを保持していても、世界戦であることは間違いないんだ。目標は勝つこと、そして強い印象を与えながら勝つことだ」と語っていた。

 多くのボクサーにとってクリアが当たり前の計量で注目を浴びたが、力強く意気込んでいたようだ。(THE ANSWER編集部)