舞い込んだチャンスを活かし、成長の階段を昇ってつかんだ切符である。
 まもなくドバイに向けて旅立つ男子セブンズ日本代表。12月2日~3日におこなわれる「HSBC ワールドラグビーセブンズシリーズ 2016-2017」の第1戦、ドバイ大会に臨むメンバーの中に中野将宏の名前があった。今季おこなわれたアジアラグビー・セブンズシリーズの韓国大会、スリランカ大会に出場し、経験を積んだ。同シリーズの映像を見て選手選考の材料にしたダミアン・カラウナ新ヘッドコーチの目に止まり、候補合宿を経て世界への扉を開く形となった。

 九州共立大学の3年生。同大学では1年時からWTBとして試合出場を重ねてきたけれど、石見智翠館高校時代はレギュラーではなかった。ラグビーを始めたのは高校から。山口県は周南市の住吉中でバスケットボールをやっていた。
「そのバスケット部の監督が智翠館の安藤先生(哲治/監督)と知り合いで、『高校に行ったらラグビーを』とすすめてもらったんです」
 50㍍を5秒8で走る俊足。そのスピードで、九州学生リーグでは各校からマークされる存在になった。セブンズの世界で活躍できる素養の持ち主を広く捜していた代表スタッフのアンテナに引っ掛かって、アジア経由で世界で戦うチャンスをつかんだ。

 アジアラグビー・セブンズシリーズに出場する日本選抜に選ばれたときの驚きを「ただただビックリしました。そんな(選抜チームに選ばれる)イメージもなかったので」と振り返る。
「アジアでの戦いでも、香港や韓国の選手は体格的に大きかったし、そのプレッシャーの中でプレーしました。でもワールドシリーズの相手は、それと比較にならないぐらいのスピーと大きさがあると覚悟しています。アジアでもそうでしたが、経験を積みながらそのレベルにはやく慣れたいですね」
 未知の領域でも自身の武器であるスピードとステップで勝利に貢献したい。

 目標とするのはジャパンのWTB山田章仁。「スピードと強さ。憧れています」と、高みを見つめる。
 大学で指導を受ける松本健志監督から、「普段では経験できない世界。力を出し惜しみすることなく思い切りプレーして楽しんでこい」とアドバイスを受けた。その通り、全力でチャレンジしてくるつもりだ。165cm、75kg。初めての大舞台に不安がないわけではないが、小さな体にはそれ以上の可能性と希望が詰まっている。