南野拓実の所属するリバプールに、ふたりの選手が新たに加わった。 ひとりは、スペイン代表MFのチアゴ・アルカンタラ。昨シ…

 南野拓実の所属するリバプールに、ふたりの選手が新たに加わった。

 ひとりは、スペイン代表MFのチアゴ・アルカンタラ。昨シーズンのバイエルンで欧州制覇に貢献したのは記憶に新しい。もうひとりは、プレミアリーグ・ウォルバーハンプトンのポルトガル代表FWディオゴ・ジョタ。



チェルシー戦では86分から出場した南野拓実

 ふたりの新戦力が入り、2年目の南野にどのような影響が出てくるか。

「とにかくすばらしい選手。ここに来てくれて本当にうれしい」と、チアゴの加入を喜んだのはユルゲン・クロップ監督だ。「監督なら誰でもほしいワールドクラス」と手放しで絶賛する。

 チアゴはセントラルMFやアンカー、インサイドMF、トップ下としてプレー可能で、20日のチェルシー戦では大腿部に打撲を負ったMFジョーダン・ヘンダーソンに代わって、後半開始時からアンカーの位置で出場した。

 後半の45分間でプレミア新記録となる75本のパスを成功させ、入団からわずか2日後の試合で早くも存在感を示した。後半しか出場していないが、敵陣でのパス成功本数56本も、今季プレミアで4位の数字だ(1位はクリスタル・パレス戦でフル出場したマンチェスター・ユナイテッドのブルーノ・フェルナンデスの64本)。

 持ち味は、やはり正確無比なパスにある。走り込んだ味方の足もとにピタリとつけるスルーパスは秀逸で、敵に囲まれてもドリブルで前方に駆け上がり、相手のプレスを無効化するテクニックも備えている。

 英衛星放送スカイスポーツは「チアゴの加入は、ボール・ポゼッションの点で大きな力になる。少ないタッチでボールを動かし、チャンスをつくる。とくに、相手が守備を固めてきた時に威力を発揮する」と指摘。「リバプールは中盤中央部からのゲームメークに課題がある」とし、「チアゴはそれを解決してくれる」と伝えた。

 実際、昨シーズンはマンチェスター・シティのケビン・デ・ブライネが中盤中央から13本のスルーパスを成功させたが、リバプールではヘンダーソンとナビ・ケイタが記録した4本が最多だった。その分、リバプールはSBを経由したサイドアタックに重きを置いているが、やはり中盤中央からのチャンスメークに物足りなさがあった。スカイスポーツは「チアゴの加入で、モハメド・サラーとサディオ・マネの速さを生かすスルーパスが増えるだろう」と期待した。

 もうひとりのジョタは、スピードが持ち味のアタッカーだ。ウォルバーハンプトンでは3−5−2の2トップ一角、3−4−3で左FWを務めた。

 DFラインの背後に飛び出してからの突破力と、敵を置き去りにするドリブルの速さが特長で、決定力の高さも特筆に値する。とりわけ、カウンター時の威力はすさまじく、昨シーズンは公式戦48試合に出場し、16ゴールを挙げた。

 リバプールは今回の移籍市場で、3トップのレギュラーを務めるサラーとマネのバックアッパーを探していた。ワトフォードのセネガル代表FWイスマイラ・サールにも興味を示していたが、クロップ監督のファーストチョイスはジョタだったという。スカイスポーツは「ジョタはサラー、マネと同系列のアタッカーで、前線から守備もしっかりこなす。最高のバックアッパーを手に入れた」と伝えた。

 しかも、ジョタはまだ23歳と若く、成長の伸びしろが大きい。クロップ監督も「すでにすばらしいが、まだ完成されていない。大きなポテンシャルを秘めている」と期待感を示している。リバプールでは、4−3−3の3トップならどこでもプレーでき、4−2−3−1ではサイドMFに入る可能性が高そうだ。

 一方、南野のストロングポイントはどこか。

 相手DFとMFのライン間でパスを受け、鋭いターンやワンツーで局面打開を図る。クロスボール時にフリースペースに入る技術も優れ、前線からの守備やプレスもこなして運動量も多い。ポジション的には4−3−3でCFと両翼を務め、4−2−3−1になるとトップ下やサイドMFにまわる。FWのような動きができ、それでいてMFの仕事もできる。リバプールのなかで、南野は少し特殊なタイプの選手と言える。

 チアゴは、南野よりも後方の位置で出場するため、プレー位置が重なることは少なそうだ。ポジションが被るのはジョタだろう。新戦力の加入で、ポジション争いが激しさを増すのは間違いない。

 ただ、先述したように、3選手ともプレースタイルがそれぞれ異なる。クロップ監督は、彼らの特性を見極めながらうまく組み合わせていくだろう。

 とくに、今シーズンは新型コロナウイルスの影響で過密スケジュールとなる。ローテーションも成功のカギを握るだけに、クロップ監督の舵取りが大きなポイントになりそうだ。