交流重賞といえばJRA馬の活躍が目立つが、オーバルスプリントは過去10年で地方馬は4勝。この2年は、地元・浦和の小久…

 交流重賞といえばJRA馬の活躍が目立つが、オーバルスプリントは過去10年で地方馬は4勝。この2年は、地元・浦和の小久保厩舎所属のノブワイルドが連覇を決めている。

 浦和競馬場は南関4場のなかで最も小回りで、中央馬はコーナリングで苦戦することが多い。また、1400mは正面スタンド前の発走で最初のコーナーまでは距離があるため、テンの速い馬なら外枠が必ずしも不利にならず、スタートでモタつけば内枠がアダとなりかねない。

 このトリッキーなコースを、地の利を生かして2連覇しているのがノブワイルドだ。5月のさきたま杯で3着、前走の習志野きらっとスプリント(SI)を制覇と、8歳となっても衰えはまったく感じられない。何より、浦和1400mは[6-1-1-4]で、JBCスプリントで5着などめっぽう強いコース巧者。前人未踏の3連覇なるか注目だ。

 この歴史的瞬間に、“待った!”をかけるのが、川崎所属のベストマッチョ。元JRAオープンで転入2戦目の前走、プラチナC(SIII)を早め先頭からの押し切り勝ち。初重賞制覇を果たした。走破タイム1分26秒1は、18年のノブワイルド優勝時と同タイムと優秀なもの。佐々木仁調教師も「前走時計だけ走れば、いい勝負ができる」と、自信を持っての参戦だ。

 当然だが、JRA勢力も手ごわい。前走、初の交流参戦でサマーチャンピオンを制したサヴィ、今回と同コースのさきたま杯で1、2着の実績があるサクセスエナジーなど、上位争いは確実。短距離巧者が集う一戦で、今年は中央、地方どちらの馬に軍配が上がるのか。
(文=スポーツ報知記者・志賀浩子)